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短刀 舞子於御庭正次謹作(桜井卍正次)
(まいこのおにわにおいてまさつぐつつしんでつくる)
大正二年八月


Tanto:Masatsugu



現代・東京
保存刀剣鑑定書付き




刃長:16.6(五寸五分弱) 反り:僅か 元幅:1.76 元重ね:0.50 穴1



 平造り、庵棟尋常。 表に『南無阿弥陀仏』の文字彫り。 鍛え、無地風にやや沈み勝ちに詰んだ小板目肌は地色明るく、地沸え厚く付き地鉄精良。 刃文、匂い口やや沈み勝ちの直刃は、上半ほつれて、刃中葉を配し、刃縁に上品な小沸を付ける。 帽子、やや大丸に掃き掛け返る。 茎生ぶ、先栗尻、鑢切り。 銀ハバキ。 時代研磨充分(細かなケあり)。白鞘入り。



【コメント】
 桜井卍正次が自ら鍛刀技術を奉授し、お相手鍛冶も務めた、有栖川宮威仁(ありすがわのみやたけひと)親王が薨去された翌月に、その静養地であった、神戸市舞子の別邸にて謹作された御供養短刀、『南無阿弥陀仏』の文字彫り、その旨を刻した銘振りも大変貴重な逸品です。
 桜井正次は慶応三年生まれ、青竜斎正次の子で、東京四谷に住し、父同様、固山宗次一門で、二代宗次に学びました。明治後半から昭和初め頃に活躍した名工で、東京四谷の他、京都八幡、鎌倉瑞泉寺鍛刀所、静岡富士山麓にある金剛鍛刀所などでも鍛刀し、『金剛斎』とも号しました。茎に『卍』を切り付けることがあるため、『卍正次』の異名でも良く知られています。また宮家である有栖川宮威仁親王のお相手鍛冶としても有名で、その静養先、神戸市舞子の別邸に於いても、度々鍛刀しています。門下で次男の正幸は、人間国宝隅谷正峯の師でもあります。また東京美術学校(現東京芸術大学)の講師も務めています。現代刀匠の位列表、『聖代刀匠位列』では、『貴品上位 最上大業 検査役格』に列せられ、昭和二十五年、八十三歳で没しています。
 本作は同工四十六歳の頃の作、茎に『舞子於御庭』とあることからも分かるように、有栖川宮威仁親王の静養先であった、神戸市舞子の別邸にて作刀された一振り、『大正二年八月』は、威仁親王薨去された翌月に当たり、『南無阿弥陀仏』の文字彫りからも分かるように、生前親交が深く、厚い御高配を賜った親王への御供養短刀です。無地風に詰んだ小板目肌は地色明るく、匂い口やや沈み勝ちの直刃は、上半ほつれて、刃縁に上品な小沸を付けた美しい短刀です。
 桜井卍正次が丹精込めて謹作した御供養短刀、貴重な銘振りであり、貴重な現存作、この度保存鑑定書も付きました。








【売約済】 商品番号:L-092 短刀 舞子於御庭正次謹作(桜井卍正次) 保存刀剣鑑定書付き

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