脇差し 伯耆守平朝臣正幸
(ほうきのかみたいらのあそんまさゆき)

文化二年丑二月(一八〇五年)


Wakizashi:HohkinokamiTairanoAsonMasayuki



新々刀・薩摩 江戸後期
保存刀剣鑑定書付き




刃長:48.0(一尺五寸八分強) 反り:1.1 元幅:3.22
先幅:2.18 元重ね:0.70 先重ね:0.51 穴1




 鎬造り、鎬高め庵棟低め、中切っ先。 鍛え、総体的に小板目の詰んだ綺麗な地鉄は、大板目、波状の肌が強く肌立って流れ、地沸が厚く付き、細かな地景を配し、地鉄良好。 刃文、互の目乱れを主体とした焼き刃は、いかつく尖り風の刃、小互の目乱れを交えて、刃縁に黒光りする荒沸を付け、一部地にこぼれて烈しい湯走り状を呈し、匂い口深く明るい。 帽子、湾れ調で先掃き掛けて長く返る。 茎生ぶ、先入山形、鑢勝手上り。 銅ハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。



【コメント】
 正幸は伊地知平覚と言い、享保十八年、二代正良の子として生まれました。父の跡を継いで三代正良を襲名、主水正正清の子、宮原正近の門人となり、寛政元年に『伯耆守』を受領、その際に正良銘を嫡子へ譲り、『正幸』と改めました。文政元年に八十六歳で没。奥大和守元平と並び、薩摩の新々刀鍛冶の双璧を成す名工です。
 同工の作は、身幅重ねガッシリとして、頑丈な造り込みの作が多く、刃文は、湾れに互の目、尖り風の刃を交えて、匂い深く、荒沸付き、金筋、砂流し掛かるなど、美濃相州伝とも言うべき、志津風の作風を得意としています。
 本作は銘文にもあるように、同工七十三歳の頃の作で、身幅重ねカチッとした力感溢れる脇差しです。総体的に小板目の詰んだ綺麗な地鉄は、大板目、波状の肌が強く肌立って流れ、地沸が厚く付き、細かな地景を配し、互の目乱れを主体とした焼き刃は、尖り風のいかつい刃、小互の目乱れを交え、刃縁に黒光りする荒沸をビッシリと付け、一部地にこぼれて烈しい湯走り状を呈しており、匂い口も深みがあって、フワーッと明るく冴えるなど、見事な出来映えです。地に細かな鍛えと緩みが少し見られますが、これぞ正幸とも言うべき、代表的な作風を示しており、刀身は研ぎ減りなく、健全であることは言うまでもありません。同工円熟期の典型作としてお薦め出来る秀逸な一振りです。






















商品番号:L-614 脇差し 伯耆守平朝臣正幸 保存刀剣鑑定書付き

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