短刀 信秀(栗原)
(のぶひで)


Tanto:Nobuhide



新々刀・武蔵 江戸末期
拵え付き
特別保存刀剣鑑定書付き




刃長:27.9(九寸二分強) 反り:内反り 元幅:2.67 元重ね:0.83 穴1



 平造り、庵棟低い。 鍛え、板目に杢目、流れ肌が上品に肌立つ地鉄は、地沸が厚く付いて、地景が良く入った鍛えで、地鉄良好。 刃文、互の目乱れを主体とした焼き刃は、小互の目、小乱れ、尖り風の刃を交えて、刃縁の沸匂いが一際深く、刃中繊細な金筋、砂流し掛かり、匂い口は潤むように明るく冴える。 帽子、乱れ込んで長く返り、棟寄りを区際まで焼き下げており、棟も烈しく焼く。 茎生ぶ、先丸栗尻、鑢筋違い。 銅に金鍍金ハバキ。 時代研磨(小サビ、ヒケ、細かな刃アタリ有り)。 新白鞘入り。
 合口拵え(幕末期 全長47センチ 鞘 黒石目鞘に下がり藤の陰蒔絵 こじり、鯉口、素銅地毛彫唐草に下がり藤紋図 小柄素銅石目地据え紋象嵌、鯰の図 柄 鮫に緑革柄巻き、縁頭素銅地毛彫唐草に下がり藤図 目貫赤銅地下がり藤紋図 目釘象牙)付き。
 



【コメント】
 信秀は文化十二年、越後国西蒲原郡月潟に生まれ、文政十二年、十五歳にして上洛し鏡師に入門、鏡師として大成するも、嘉永三年、三十五歳の時に、江戸へ出て、二歳年上の清麿門に入り、鍛刀を学びました。嘉永五年には独立したと考えられるため、修行期間は二年足らず、独立して間もない嘉永六年八月から七年に掛けて、相模国浦賀で鍛刀した『浦賀打ち』、元治元年八月から慶応三年正月までの作の大半には、『於大坂』、『於浪花』と刻む『大坂打ち』があります。慶応元年、『筑前守』を受領、明治七年には、一度越後三条へ戻り、明治十三年、東京本郷元町宅にて六十六歳で没。
 また同工は言わずと知れた彫りの名人、越前記内や本荘義胤などに範を取って、それを独自展開した、斬新な作が多く見られ、月山貞一、本荘義胤と共に、幕末の『三大名人』と呼ばれます。年期作に見る活躍期は、嘉永五年五月から明治十年十一月まで、その技量は、清麿門下中卓抜したものがあり、師に迫る名品を数々生み出しています。
 本作は安政六年、同工四十五歳の頃、同工前期作に当たり、寸法九寸二分強、重ね0.83㎝のカチッとした造り込みの短刀です。板目に杢目、流れ肌が上品に肌立つ地鉄は、地沸が厚く付いて、地景も良く入った鍛えで、互の目乱れを主体とした焼き刃は、小互の目、小乱れ、尖り風の刃を交えて、刃縁の沸匂いが一際深く、刃中繊細な金筋、砂流し掛かり、匂い口は潤むように明るく冴えています。帽子も乱れ込んで長く返り、棟寄りを区際まで焼き下げており、棟も烈しく焼いています。特別保存鑑定を取得して間もなく、何処にも出てない逸品、新白鞘にピシッと入って気持ちの良い短刀ですが、現状古研ぎで小サビ、曇り等がありますので、ビシッと研ぎ上げれば、更なる名品に生まれ変わることでしょう。
 付属する幕末の合口拵えは、頭、鯉口、こじり金具が、素銅地に唐草、下がり藤を毛彫した一作物で、鞘は少し補修痕がありますが、石目地に下がり藤を陰蒔絵、小柄は素銅地に金補金、赤銅鯰を据え紋してあります。
 茎のサビ付きが少し悪いですが、地刃の出来は素晴らしく、栗原信秀の見事な鉄鍛えが存分に示された、同工前期の自信作です。












商品番号:L-723 短刀 信秀(栗原) 特別保存刀剣鑑定書付き

価格: ¥1,450,000 (税込)

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