脇差し 粟田口近江守忠綱
(あわたぐちおうみかみただつな)
雕物同作 浅井氏


Katana:Awataguchi Ohminokami Tadatsuna



新刀・摂津 江戸前期
特別保存刀剣鑑定書付き




刃長:59.0(一尺九寸五分弱) 反り:2.0 元幅:3.54 元重ね:0.84 穴2



 平造り、庵棟尋常。 表梵字に素剣、裏棒樋に添え樋をハバキ下で掻き流す。 鍛え、地沸を微塵に厚く敷いた小板目肌は、板目が流れ心に肌立ち、ふんだんに地景を交えた綺麗な地鉄で、地鉄精良。 刃文、湾れ乱れ調の焼き刃は、二つ、三つの互の目を間遠に焼き、沸匂いが厚く付き、刃縁、刃中には極太の金筋がうねるように貫き、一部沸裂け、沸崩れとなる。 帽子、直調でほつれて先僅かに掃き掛け返る。 茎僅かに磨り上げ、先栗尻、鑢勝手下がり。 銅に金鍍金ハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。



【コメント】
 二代忠綱は正保元年生まれと云い、初代忠綱の子で、浅井万太夫と言い、初銘を忠国、後に二代忠綱を襲名、父と同様、近江守を受領し、元禄二年からは、『一竿子』を冠するようになります。活躍期は延宝から享保まで約五十年に渡り、越前守助廣や井上真改と比肩する、大阪新刀代表鍛冶です。また言わずと知れた彫刻の名人で、『一竿子彫り』と呼称されるその彫りは、間違いなく新刀随一です。茎に『雕物同作』、『雕同作』、『彫物同作』、『彫同作』の切り付け銘と共に彫り物がある作は、大変希少価値が高くなります。
 銘振りは、初期は『粟田口近江守忠綱』、『一竿子』を冠してからは、『粟田口一竿子忠綱』、『一竿子粟田口忠綱』、『一竿子忠綱』となります。作風は、初期は初代風の焼き頭の揃った足長丁字乱れ、『一竿子』以降は、互の目乱れ、助廣風濤瀾乱れが多く見られ、直刃もあります。
 本作は『粟田口近江守忠綱』銘、年紀はありませんが、銘振りからして貞享頃の作、貴重な『一竿子彫り』の入った優品です。寸法一尺九寸五分弱の大脇差しで、身幅3.54センチ、反り深く付いた豪壮なスタイルは、貞享、元禄頃の特徴的な脇差し姿を示しており、手持ちがズシッとくる重量感は、新々刀の如く地刃が健やかに保たれています。 
 地沸を微塵に厚く敷いた小板目肌は、板目が流れ心に肌立ち、ふんだんに地景を交えた綺麗な地鉄で、湾れ乱れ調の焼き刃は、二つ、三つの互の目を間遠に焼き、沸匂いが厚く付き、刃縁、刃中には極太の金筋がうねるように貫き、一部沸裂け、沸崩れとなるなど烈しい変化を見せています。 
 茎に『雕物同作』とあるように、表は梵字に素剣、裏は棒樋に添え樋があり、簡素な意匠ながら、狂いのない彫り口は、流石『一竿子彫り』と思わせる見事な作です。
 地刃の冴え、刃中の豊富な働きなど見所満載、『雕物同作』は絶対に見逃せません。粟田口一竿子忠綱による彫り同作の大脇差し、同工の巧みな鍛刀技術と彫技が存分に示された優品です。
















商品番号:L-831 脇差し 粟田口近江守忠綱 特別保存刀剣鑑定書付き

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