刀 (太刀銘)薩陽士元平
(さつようしもとひら)
天明二年二月日(一七八二年)


Katana:Satsuyohshi Motohira



新々刀・薩摩 江戸後期
特別保存刀剣鑑定書付き




刃長:69.9(二尺三寸一分弱) 反り:1.4 元幅:3.14
先幅:2.18 元重ね:0.70 先重ね:0.52 穴1




 鎬造り、鎬庵棟尋常、中切っ先。 鍛え、地沸を微塵に厚く敷いた小板目は良く詰んで、細かな地景に交じって、黒く太い地景風の肌がうねり、所々地沸が凝結して湯走り状を呈し、地鉄良好。 刃文、 所々尖る節のある互の目乱れを主体として、刃中匂い深く、烈しく沸付いて、光りの強い金筋、砂流しが繁く掛かり、刃縁は沸裂け、沸崩れ状を呈す。 帽子、湾れ込んで先掃き掛け返る。 茎生ぶ、先入山形、鑢筋違い。 銅に金着せハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。



【コメント】
 元平は孝左衛門と言い、延享元年、奥元直の長男として生まれました。父に鍛刀を学び、安永六年に家督を相続、天明五年頃に薩摩藩工となり、寛政元年には『大和守』を受領、十一歳年配の伯耆守正幸と共に、薩摩新々刀鍛冶の双璧を成す名工です。
 会津元興、備前横山祐平、青木元長等々、全国各地の名工達が、薩摩に集って元平に学んでいることからも、その名声の高さが伺えます。
 作刀は明和から文政頃まで見られ、文政九年、八十三歳で没。作風は互の目乱れに小湾れ、尖り風の刃を交えた焼き刃を主体とし、匂い深く荒沸付き、金筋、砂流し掛かるなど一貫した相州伝で、地鉄は正幸に比して、より詰んで綺麗な肌合いとなる場合が多く見られます。
 銘振りは、最初『薩陽士元平』、薩摩藩工となった天明五年頃からは『薩藩臣奥元平』、寛政元年『大和守』受領後は、『奥大和守平朝臣元平』と切る場合がほとんどです。
 本作は天明二年、同工三十九歳の頃、同工としては受領前の前期作で、寸法二尺三寸、均整の取れたしなやかな刀姿、銘字も壮年期らしく鏨が太くしっかりとしており、茎もすこぶる良い状態です。
 やや沈み勝ちに綺麗に詰んだ小板目肌は緩みなく、細かな地景の入る素晴らしい鍛えで、互の目乱れを主体とした刃文は、湾れ、小互の目、いかつい尖り風の刃を交え、刃縁に美しい沸粒が万遍なく付き、それを包み込むように匂いも一際深く、匂い口も潤むように強い光を放っています。
 一見して鉄質の良さが伝わってくる名品、これぞ奥元平の真骨頂、地刀はすこぶる健全、同工前期作の貴重な銘振り、お薦めの逸品です。
















商品番号:L-840 刀 (太刀銘)薩陽士元平 特別保存刀剣鑑定書付き

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