脇差し 井上真改
(いのうえしんかい)
(菊紋)寛文十三年八月日(一六七三年)


Wakizashi:Inoue Shinkai



新刀・摂津 江戸前期
最上作
特別保存刀剣鑑定書付き




刃長:54.4(一尺八寸一分強) 反り:1.1 元幅:3.15
先幅:2.23 元重ね:0.76 先重ね:0.60 穴1




 鎬造り、鎬尋常庵棟低め、中切っ先。 鍛え、板目が地沸を厚く付けて肌立ち、所々流れ心の肌を交えた地鉄は、地色明るく、地鉄良好。 刃文、湾れ乱れを主体とした刃文は、刃縁に美しい沸粒、ほつれ、喰い違い刃、二重刃風の沸筋を配し、上品な砂流し掛かり、匂い口明るく冴える。 帽子、湾れ調に深く焼いて長く返り、そのまま鎬地棟寄りを、湾れ乱れ調に飛び焼きを交え棟区まで焼き下げる。 茎生ぶ、先刃上がり栗尻、鑢化粧筋違い。 銀無垢ハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。



【コメント】
 真改は八郎兵衛と称し、寛永七年、初代国貞の次男として生まれました。真改の銘の変遷は、『和泉守藤原国貞』、『和泉守国貞』、『井上和泉守国貞』、『井上真改』の四つに大別されます。慶安元年二月から、慶安五年五月に初代が没するまでが、『和泉守藤原国貞』銘、いわゆる初代の代作代銘時期に当たります。初代死後、暫く経った承応二年八月から、『和泉守国貞』銘となり、万治四年二月頃からは、『井上和泉守国貞』銘となり、同時に『菊紋』も切るようになります。寛文十二年八月から天和二年十一月に五十三歳で没するまでは、『井上真改』と銘じました。
 真改の地鉄は、良く練られた美しい小板目、板目肌に、時折流れ柾の交じるものを基本として、肌質は上品に肌立つものと、沈み勝ちに梨子地の如く詰んだものがあります。刃文は、中直刃調に互の目、湾れを交えたものを基本とし、  最初期作に於いては、父譲りの頭の丸い互の目乱れを主調とした作、『井上和泉守国貞』銘となった寛文の初め頃からは、互の目乱れに湾れ調の交じる作、寛文七、八年頃からは、真改特有の広直刃調の深い焼き刃が見られるようになります。
 本作は寛文最終年である十三年作、同工四十四歳の頃、真改へと改銘した翌年に当たります。
板目が地沸を厚く付けて肌立ち、所々流れ心の肌を交えた地鉄は、地色明るく、湾れ乱れを主体とした刃文は、刃縁に美しい沸粒、ほつれ、喰い違い刃、二重刃風の沸筋を配し、上品な砂流しが掛かっています。帽子も湾れ調に深く焼いて長く返り、そのまま鎬地棟寄りを、湾れ乱れ調に飛び焼きを交えて棟区まで焼き下げています。特に焼き刃の明るさと冴え、刃縁の沸匂いが融合した美しさは、流石真改と唸らせるものがあります。
 新刀研究の基礎文献である『新刀弁疑』の著者で、江戸中期の刀剣研究家鎌田魚妙(なたえ)が、『良く出来たものは、正宗にも劣らざるものあり。』と賞賛したことから、世上『大坂正宗』と呼ばれた井上真改、本作は『井上真改』銘、寛文最終年紀に菊紋を添えた、同工壮年期の佳品、新刀随一とされる沸の美しさを存分にご堪能下さい。














【研ぎ中】商品番号:L-982 脇差し 井上真改 特別保存刀剣鑑定書付き

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