刀 山城国信国(初代) (無銘)
(やましろのくにのぶくに)


Katana:YamashironokuniNobukuni



古刀・山城 南北朝中期
第十五回重要刀剣指定品




刃長:66.8(二尺二寸強) 反り:1.5 元幅:3.12
先幅:2.44 元重ね:0.67 先重ね:0.51 穴5(内3埋)




 鎬造り、鎬庵棟尋常、中切っ先延びる。 表棒樋に添え樋を茎中程で掻き通流し、裏梵字に素剣の彫り。 鍛え、小板目に杢目交じりの地鉄は、刃寄りに柔らかな柾流れを交えて良く詰み、所々大模様に肌立ち、地沸が微塵に厚く付き、無数の地景が肌目に沿ってうねり、地鉄精良。 刃文、美しい細直刃は、僅かに湾れ、刃中小互の目、小丁字足が細やかに入り、匂い口には繊細な小沸が付いて、締まり気味に明るく冴える。 帽子、湾れ調に掃き掛けて大丸風となり、先掃き掛け返る。 茎大磨り上げ、先切り、鑢勝手下がり。 銅に金着せ二重ハバキ。 時代研磨(僅かにヒケ有り)。 白鞘入り。



【コメント】
 初代京信国(無銘)の重要刀剣、同工典型の焼き刃、彫り物に加え、地刃の冴え、健全さも超一級、『貞宗三哲』の名に相応しい、南北朝中期の雄壮な山城太刀です。
 南北朝時代の山城国には、長谷部一派の他に信国がおり、古伝書によると、了久信(了戒の子)の孫と伝えています。また相州貞宗(正宗の養子)にも師事し、『貞宗三哲』にもその名を連ねています。活躍期は南北朝中期の延文、貞治頃で、これ以降、南北朝末期、室町初期の応永、永享頃にも、信国を名乗る刀工が見られますが、これらは初代信国と比べて、作風、銘振りからしても、明らかに別人の同銘後代であることが分かります。これにより、この頃には、銘の世襲が行われていたことが分かります。後代信国としては、応永信国と呼ばれる、左衛門尉信国、式部丞信国らが有名です。その後も同派の伝統は、越後国の山村正信一派、豊前国宇佐の筑紫信国一派、新刀期には筑前信国一派へと継承されました。
 その作風は、出自である来風の直刃と、貞宗風の沸の強い湾れ乱れ刃があり、直刃、乱れ刃に関わらず、刃寄りには、柾掛かって流れる肌合いが見られます。
 後代になると、初代風の小湾れ調の作は減り、互の目調の乱れ刃が多くなります。また同派は、代々彫り物を得意としており、素剣、三鈷剣付き剣、梵字、護摩箸、櫃内に真の倶利伽羅の浮き彫り、刀樋や薙刀樋内に三鈷附き剣、梵字、旗鉾などの浮き彫り、南無八幡大菩薩などの文字の陰刻等々、多種多彩ですが、  初代には簡素な彫りが多く、濃厚な作は、応永信国に多く見られます。
 本作は切っ先グッと強く延び心で、元先身幅の差がないカチッとした造り込みで、図譜にもあるように、初代信国と鑑せられる、南北朝中期の雄壮な太刀です。小板目に杢目交じりの地鉄は、刃寄りに柔らかな柾流れを交えて良く詰み、所々大模様に肌立ち、地沸が微塵に厚く付き、無数の地景が肌目に沿ってうねるなど、見事な鍛えを示しています。来派伝統の美しい細直刃は、僅かに湾れ、 刃中小互の目、小丁字足が細やかに入り、匂い口には繊細な小沸が付いて、締まり気味に明るく冴えています。南北朝太刀で細直刃であれば、何処かしらに、刃の危うい箇所がありますが、全くありません。元から帽子の先まで、破綻なくピシッと通った焼き刃によって、如何に地刃が健全であるかが分かります。腰元から茎に掛けて、梵字に素剣、棒樋に添え樋が見られますが、如何にも初代らしい、簡素ながら力強い生彫りです。
 全てに於いて格調高く、京信国の見所が存分にしめされた優品、こういった美しい地刃は、末永くお楽しみ頂けるかと思われます。














商品番号:V-1645 刀 山城国信国(初代) (無銘) 第十五回重要刀剣指定品

価格: ¥3,300,000 (税込)
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