刀 会藩臣兼定兼元抽精神以三枚製而造之
安政四丁巳年八月吉日(一八五七)
同年十一月十三日大脇毛初刃至平土
同陽士長坂勝安試之
(あいはんしんかねさだかねもとちゅうせいしんさんまいせいをもってしこうしてこれをつくる)


Katana:AihanshinKanesadaKanemotoChuseishinsanmai



新々刀・陸奥 江戸末期 拵え付き
保存刀剣鑑定書付き
『会津十一代和泉守兼定展』図録所載品

探山先生鞘書き有り




刃長:70.3(二尺三寸二分) 反り:1.3 元幅:3.03
先幅:1.90 元重ね:0.77 先重ね:0.55 穴2(内1忍)




 鎬造り、鎬高め庵棟尋常、中切っ先やや詰まる。 鍛え、大板目、杢目、刃寄りに流れ肌がうねるような鍛えで、鉄色明るく、地沸、地景をふんだんに配し、地鉄良好。 刃文、匂い勝ちな直調の焼き刃は、僅かに節刃を交えて、刃縁に繊細なほつれ、打ちのけを配し、匂い口やや沈み勝ちに締まる。 帽子、大丸風で先掃き掛け返る。 茎生ぶ、先刃上り入山形、鑢筋違い。 銀ハバキ。 時代研磨(ヒケ有り)。 白鞘入り。
 打ち刀拵え(近代作 全長103センチ 柄24.5センチ 鞘 黒の呂塗り、鯉口四分一地  柄 親鮫に鉄紺柄巻き 縁頭、四分一石目地無模様 鍔 鉄地丸形耳部分に槌目刻み土手耳)付き。



【コメント】
 会津十代、十一代兼定親子合作による希少な一振り、本三枚鍛えによる強靱な地刃、截断切り付け銘入り、『会津十一代和泉守兼定展』図録所載品です。
会津兼定一派は、志津三郎兼氏十二代孫で、疋定の子と伝わる兼定が、葦名(あしな)盛氏に仕えて、美濃関から会津若松へ移ったのが始まりで、以降四代までは、比較的作品を見受けるのですが、江戸中期以降、五~九代の兼定は余り振るわず、作もほとんど見受けられません。江戸後期、十代以降の活躍によって、同派は再び勢いを盛り返しています。
 本作は茎に『兼定兼元』とあるように、兼定(十代)と兼元(十一代初期銘)、親子合作銘による、希少な一振りです。
 十代兼定は、寛政六年生まれ、古川業蔵と言い、後に『近江』と改めました。会津四代兼友に師事、作は天保から安政頃まで見られますが、安政頃になると、十一代による代作代銘も多く見られます。文久三年十二月、十一代が『兼定』へ改銘すると同時に『兼氏』に改銘、明治二年、七十六歳で没。
十一代兼定は、天保八年、会津若松城下に、十代の子として生まれました。幼名を友弥、後に清右衛門と改めています。十四歳の頃より、父に付いて鍛刀を学び、嘉永五年、十六歳の頃に会津藩に出仕、この頃から自身作も見られます。初め『兼元』と銘し、嘉永七年、十八歳の頃からは、父の代作代銘も行っています。文久三年四月、藩主松平容保の命により上洛、京都御所の警護に当たり、同年十二月、『和泉守』を受領、同時に『兼定』へ改銘、以後元治二年二月に、会津へ帰国するまでの作を、『洛陽(京)打ち』と呼びます。慶応元年八月、家督を相続、明治二年九月、父が没した後、藩命により、越後国加茂へ移住、以降明治七年九月までの五年間、この地で鍛刀しました。これを『加茂打ち』と言います。明治三十六年、六十七歳没。鍛刀地は、会津、京、越後、最晩年には東京でも鍛刀していますが、京、東京での作はほとんど見られません。
 親子共に作風は、小杢目良く詰むもの、無地風、板目がうねる肌物、柾目鍛えなどが見られ、刃文も直刃、湾れ、互の目と多岐に渡ります。造り込みは、十代はガシッとした作が多く、十一代は姿尋常な作が多く見られますが、十一代の場合は、剣術にも長けていたため、武器として使用することを前提に、振り易く、バランスの良さを重視しているためです。
 本作は安政四年、兼定六十四歳、兼元二十一歳の頃で、銘は十一代が切っています。寸法二尺三寸二分、鎬高めで、均整の取れたしなやかなスタイル、大板目、杢目、刃寄りに流れ肌がうねるような鍛えは、鉄色明るく、地沸、地景をふんだんに配しており、匂い勝ちな直調の焼き刃は、僅かに節刃を交えて、刃縁に繊細なほつれ、打ちのけを配しています。彼らの出自である、伝統の美濃直刃を丹念に焼いており、やや沈み勝ちに締まった匂い口は、切れ味の鋭さを予感させるものがあります。
 茎に『抽精神』とありますが、『抽(ちゅう)』は、抜き出す、引き出す、絞り出すの意、故に『抽精神』は、探山先生の鞘書きにもあるように、『丹精込めて』の意、十一代の入念作には、本作の『抽精神』の他、『抽精力』、『抽鍛錬精』などの添え銘も、まま見受けられます。『以三枚製而造之』とは、『本三枚鍛えにて之を造る』の意、『本三枚鍛え』とは、芯鉄に刃鉄を合わせ、側面に皮鉄を合わせる鍛接法で、古くは相州上工にも多く見られ、刃持ちが良く、頑丈であるため、実戦用にも最適な鍛造法と言われます。
 また同年には、会津藩士長坂勝安による試し斬りも行われており、『大脇毛初刃至平土』と添えられています。『大脇毛』とは胸の辺り、『太々』『両車』に次ぐ硬い部位で知られます。『初刃(うぶば)』とありますから、初斬りにて、大脇毛部位を斬った所、勢い余って、下の平土にまで斬り込んだわけですから、その凄まじい斬れ味は、想像に難くありません。
 地刃の美しさだけではなく、実用にも適った、兼定親子理想の一振り、地刃に細かな墨篭りも見られますが、銘振りも含めて、これだけ貴重な刀もありません。付属の外装もスマートで渋く、この合作刀の雰囲気に相応しいものです。
 本刀は平成二十四年に開催された、『会津十一代和泉守兼定展』の図録にも所載された代表作、会津兼定コレクターならずとも押さえたい一振りです。


















商品番号:V-1650 刀 会藩臣兼定兼元抽精神以三枚製而造之 保存刀剣鑑定書付き 拵え付き 探山先生鞘書き有り 『会津十一代和泉守兼定展』図録所載品 

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