刀剣 何でも相談室
鐔の手入れ方法(象嵌などの無い鉄鐔)
| 鉄は錆びやすい金属です。その錆には「赤錆」と「黒錆」などが有り、それぞれ不思議な性質を持っています。その性質をうまく利用して手入れをする必要が有ります。錆の性質を良く理解し上手く手入れをすれば、見違える程の違いが出るのも鐔の手入れの楽しみでもあります。 |
象嵌などの無い鉄鐔の手入れ法(朽ち込みの多い物) (黒 錆) |
| これは粒子が細かく、鉄肌を美しく見せてくれる錆で「赤錆」を防ぐ役割を持っています。地鉄の違いにより青みがかったもの、黒っぽいもの、赤味がかったものがあり、青みがかった黒錆を『紫錆』と言って最も尊重されています。(黒錆は赤錆と違い朽ち込む事の無い錆で、言わばコーティング効果を持っています。錆で錆を防ぐ事を知った先人の知恵とも言える物です) 鐔の錆付けは古い時代は熱して表面に酸化皮膜を付け、他はさび付け薬により付けていたようです。また長年放っておかれた鐔には赤錆の出ている物も多く、そのような場合はネルのような布で「赤錆」を拭ったり、磨いたりしていると「黒錆」だけが残ります。よく公園などの手すりが人の手脂や擦れによって、長い間に艶のある見事な鉄色になっているのを見かけますが、そんな状態に育てていくものです。 |
(赤 錆) |
| 一般的によくある赤くて粗い、放っておくと自然に付く朽ち込む錆です。この錆は進行するとボロボロになり取り返しの付かない事になります。あまりひどいものは鑢やワイヤーブラシでないと取れませんが、鐔を傷める可能性が有るのでお薦め出来ません。刀剣油に数日漬けておいて布などで拭う事を何度か繰り返すのも方法ですし、寒い季節に瓦の上に2〜3日置くと「赤錆」が浮きますが、象嵌や据え紋などのある鐔には不向きです。水に濡らし冷蔵庫に入れるのも同じ効果が有ります。擦って赤錆を落とすには動物の骨とか角で擦るのが一番のようです、とにかく慌てず、根気に、気長にやる事が最善の方法です。 |
(油 錆) |
| 艶や潤いが有るように見せる為に椿油や刀剣油を塗ったりしますが、時間が経つとこの油が劣化し鉄を錆びさせる事になります。古い油は酸化して固まりそれが乾いて皮膜を作り漆を塗ったようになり、年月が経つと黒い鉄色になりますが、その下は錆びが進行しています。軽度のものは布で擦って取れますが、何十年も経ったものは中々取れないものです。湿った布で擦りその後角で磨いて落としますが、完全に鉄色が回復するまで何年も掛かってしまいます。 このように「黒錆」だけにした鉄鐔は他の錆が出る心配は無いので、時々ネルで拭うだけで充分です。むしろそっとしておいて鉄色を落ちつかせる事が大切です。時間の経過と共に何物にもかえ難い艶色が出るものです。 |
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