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2006年10月展示会のご案内 刀剣祭り神戸
Japanese Sword Exhibition in October
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| このコーナーでは日々会員の皆様から寄せられる刀剣や刀装具に関する質問にお答えして参ります。 |
北海道札幌市 Iさんからのご質問
新刀 新々刀 古刀だいたいの 年代を教えて下さい。
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| 新々刀期
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| 前回に引き続いて、今回は幕末、維新の激動期を駆け抜けた新々刀期をご紹介します。
新々刀期は、諸説ありますが、江戸後期(天明元年=1781年頃)〜明治9年 (1876年)の廃刀令までの約100年間と云われています。日本刀の時代区分の中で、最も短い期間ではありますが、この時期には現在の愛刀家の方々を魅了して止まない名刀の数々を生み出した刀匠が多数輩出されています。
前回の新刀編で記述した通り、17世紀後半にもなると徳川政権も安定期に入り、世の人々は泰平を謳歌していました。しかし、18世紀後半頃からロシアやイギリスを始めとして諸外国が日本に対して通商を迫ってきました。これは徳川政権が1639年に築き上げ、以後150年間にも及んで頑なに守ってきた鎖国政策を脅かすものでした。しかしながら、幸か不幸かこの外敵(?)の出現によって弛み切った国の兵備の再編を促す結果となり、鍛刀界にとっても復興のきっかけとなりました。
そしてこの激動の新々刀期の始まりにおいて、最重要課題である鍛刀界の完全復興の立役者であった人物こそ、川部儀八郎こと後の水心子正秀に他なりません。彼は羽前国(今の山形県)の武家の出身で、江戸に出て刀工になります。当初は彼も他の多くの刀工が模倣していたように、新刀期の助広・真改の華やかな濤瀾刃・互ノ目大乱れといった焼刃を狙って作刀していましたが、後にこういった深い焼刃の刀は脆くて折れやすいという欠点に確信を持ち、見た目の派手さではなく、たとえ見た目が地味であっても「強い・折れない・よく斬れる」という点に重きをおいた「刀剣実用論」を基礎とした刀作りに専念するようになります。いわゆる"復古刀"と呼ばれる刀です。彼は鎌倉期の刀を理想としました。そして文政8年(1825年)に76歳で亡くなるまで数百の門人を育て又、「刀剣実用論」を基本理念とする書物を数多く遺しました。その後、彼の意思は大慶直胤や細川正義といった才能ある弟子達が受け継ぎ新々刀を開花させていきます。
もう一人、新々刀期において忘れてならないのは源清麿です。やはり、名実ともに新々刀の刀工中No1なのではないでしょうか。彼は文化10年(1813年)に信濃国(今の長野県)で山浦家の次男として生まれました。幼名を環と言い、刀工である兄真雄にも手ほどきを受けその後地元の藩工であった河村寿隆の弟子となります。22歳の頃、江戸に出て幕臣であり軍学者であった窪田清音にその才能を見出され刀工として世に出ます。彼は古名刀の写しを得意とし、それを基礎として備前伝、相州伝、美濃志津伝といった作風を次々と吸収していきます。そして自身と気迫に満ち溢れた素晴らしい作品を遺しました。しかし、彼は嘉永7年(1856年)に42歳で自刃してこの世を去ります。このことも原因の1つかと思われますが、現存する刀は正秀に比べ圧倒的に少ないと云われています。彼の刀が非常に高額で取り扱われているのは、その出来が素晴らしいことに加えてこういった事情があるからではないでしょうか。
これまで挙げてきた刀工やその弟子、その他多くの実力ある刀工達が新々刀期というわずか100年ほどの時間の中で切磋琢磨して築き上げ、遺してきたものは、現代の刀匠達に多大な影響を与えています。しかし、清麿の死後10年ほど経った慶應3年(1867年)に徳川政権は崩壊し、維新の時を迎えます。そして世の中は王政復古を始めとする封建社会から資本主義社会への移行を急速に進め、近代国家としての日本を創出していこうとします。帯刀から廃刀という流れも当時の風潮としては、誰も止められないものだったかもしれませんが、それに最後まで抵抗した人達もいました。正に映画「ザ・ラストサムライ」の世界そのものです。その中で渡辺謙演じる「勝元」の生き様から「武士道精神」の真髄である"自らの信念を貫き通すこと"を叩き込まれた気がしました。
このような大きな変革の時を経て、この後日本刀は国内外の戦乱に巻き込まれていくことになり ます。というわけで、次回は受難の現代刀編 です。
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