刀 包次(文珠)(陸奥守包次)
(かねつぐ)
Katana:Kanetsugu
新刀・摂津 江戸前期
保存刀剣鑑定書付き
刃長:69.0(二尺二寸八分弱) 反り:1.4 元幅:2.91
先幅:1.97 元重ね:0.73 先重ね:0.53 穴4
鎬造り、鎬庵棟尋常、中切っ先。 鍛え、板目に杢目、流れ肌を交えてザングリと肌立ち、地沸微塵に厚く付き、地景繁く入り、地鉄良好。 刃文、湾れに小互の目、箱掛かった刃、尖り風の刃を交え、刃縁良く沸付いて締まり気味、刃中繊細な金筋、砂流し掛かる。 帽子、湾れ込んで沸付き、先掃き掛け返る。 茎磨り上げ、先浅い栗尻、鑢大筋違い。 銅に金着せハバキ。 時代研磨(細かな刃アタリ、ヒケ有り)。 白鞘入り。
【コメント】
包次は、本国大和で文珠六兵衛と言います。左陸奥こと、陸奥守包保門人で、同じく陸奥守受領、摂津で鍛刀しました。寛文(一六六一~七三)頃の刀匠で、『甲割(かぶとわり)包次』とも呼ばれ、その斬れ味にも定評があります。本作は地景がうねるやや黒みを帯びた地鉄、如何にも斬れそうな雰囲気の刃を焼いています。摂州文珠鍛冶の真面目な作です。