刀 (一葉葵紋)主馬首一平安代
(しゅめのかみいちのひらやすよ)


Katana:Syumenokami Ichinohira Yasuyo



新刀・薩摩 江戸中期
大業物
特別保存刀剣鑑定書付き
『鑑刀日々抄』所載品




刃長:61.0(二尺一分強) 反り:1.6 元幅:3.28
先幅:2.26 元重ね:0.68 先重ね:0.55 穴1




 鎬造り、鎬庵棟高め、中切っ先。 鍛え、板目、杢目に波状に流れる柾肌を交えた地鉄は、地沸を厚く敷いて上品に肌立ち、肌目に沿って地景をふんだんに配した鍛えで、一部二重刃風に沸筋が立ち、地鉄精良。 刃文、湾れ乱れ調の焼き刃は、小互の目、小乱れを僅かに交えて、刃沸良く付き、刃境に黒粒の荒沸を多数配し、匂い口明るい。 帽子、湾れ調で先掃き掛けて僅かに返る。 茎生ぶ、先栗尻、鑢檜垣。 銀に金着せ二重ハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。



【コメント】
 一平安代は玉置小市と称し、延宝八年、山城守一平安貞の子として生まれ、鍛刀は初め父、後に波平鍛冶の大和守安国に学びました。享保六年、四十二歳の頃、八代将軍徳川吉宗の命により、同国の正清と共に召し出されて江戸浜御殿にて作刀、その高い技量を認められ、茎に一葉葵紋を切る許可を得ました。江戸よりの帰途、朝廷より安代は主馬首、正清は主水正に任ぜられました。安代と正清は、正清が十五歳年長ですが、共に江戸中期に於ける薩摩新刀の双璧、正清が湾れに互の目、尖り刃を交えた乱れ調の刃文を得意とするのに対し、安代は穏やかな湾れ調の直刃を得意としました。享保十三年、四十九歳没。
 安代は重要文化財一口、重要美術品一口を数える名工でありながら、同工が活躍した江戸中期享保以降は、刀匠が振るわない時代であり、加えて比較的短命であったこともあり、現存作は僅少です。また大業物鍛冶として、その斬れ味にも定評があります。
 本作は一葉葵紋、任官名を刻した銘振りから、同工晩年円熟期の典型作優品です。
 寸法は二尺一分強ですが、鎬高い造り込みで身幅しっかりとして、地刃も至って健全な一振りです。
 板目、杢目に波状に流れる柾肌を交えた地鉄は、地沸をビッシリと厚く敷いて上品に肌立ち、肌目に沿って薩摩刀特有の地景をふんだんに配した鍛えで、湾れ乱れ調の焼き刃は、小互の目、小乱れを僅かに交えて、刃沸良く付き、刃境に黒粒の荒沸を多数配し、一部二重刃風に沸筋が立ち、帽子は太い金筋が貫いて、焼き詰め風に掃き掛け返るなど、地刃の豊富な沸の働き、鍛えの良さが如実に示されており、薫山先生の『鑑刀日々抄』にも所載されている逸品です。
 薩摩新刀筆頭鍛冶、一平安代の希少な現存作、同工の高い技量を伺い知ることが出来る、会心の一振りです。
















商品番号:L-972 刀 (一葉葵紋)主馬首一平安代 特別保存刀剣鑑定書付き 『鑑刀日々抄』所載品

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