刀 粟田口一竿子忠綱
(あわたぐちいっかんしただつな)
元禄十六年八月吉日(一七〇三年)


Katana:Awataguchi Ikkanshi Tadatsuna



新刀・摂津 江戸中期
良業物




刃長:65.0(二尺一寸四分強) 反り:1.0 元幅:2.87
先幅:1.83 元重ね:0.65 先重ね:0.45 穴1




 鎬造り、鎬尋常庵棟低め、中切っ先ややふくら枯れる。 表に上り龍、裏に下り龍の彫り。 鍛え、小板目詰んだ地鉄は、少し緩みがありますが、細かな地景を配し、地色明るく、地鉄良好。 刃文、直湾れ調の焼き刃は、刃縁の沸匂いが一際深く、匂い口が明るく冴える。 帽子、直調で先僅かに掃き掛け返る。 茎生ぶ、先急な刃上がり栗尻、鑢筋違い。 銅に銀着せハバキ(着せに剥がれ有り)。 時代研磨(小サビ有り)。 白鞘入り。



【コメント】
 二代忠綱は、初代忠綱の子で、浅井万太夫と言い、正保元年生まれと云います。初銘を忠国、後に二代忠綱を襲名、父と同様、『近江守』を受領し、元禄二年からは、『一竿子』を冠するようになります。
 活躍期は、延宝から享保まで約五十年に渡り、越前守助廣、井上真改と比肩する、大阪新刀代表鍛冶です。また言わずと知れた彫刻の名人で、『一竿子彫り』と呼称されるその彫りは、間違いなく新刀随一と言えるでしょう。
 銘振りは、初期は『粟田口近江守忠綱』、『一竿子』銘になってからは、ほぼ『粟田口一竿子忠綱』、『一竿子粟田口忠綱』、『一竿子忠綱』のいずれかになります。作風は、初期は初代風の焼き頭の揃った足長丁字乱れ、『一竿子』以降は、互の目乱れ、助廣風濤瀾乱れが多く見られ、直刃もあります。また同工に於いて、元禄年間は、心技体の全てが充実した時期であり、重要刀剣以上の指定品の内、七割以上が元禄年間の作となっています。
 本作は元禄十六年紀入り、『一竿子』銘の一振り、同工六十歳の頃に当たります。寸法こそ二尺一寸四分強ですが、ふくらの枯れ気味に延び心の切っ先、上品でしなやかな姿を示しています。
 直湾れ調の焼き刃は、刃縁に美しい小沸が厚く付き、匂いも一際深く、匂い口が明るく冴えており、小板目詰んだ地鉄は、細かな地景を配し、地色明るく、ゆったりとした流れ肌が肌立っています。大坂新刀上工の直刃は、刃縁が柔らかく、深みがあって大変見事です。
 表裏にある上り龍、下り龍は自身彫りではありませんが、本歌に倣った巧みな彫り物で、江戸期は下らない作と鑑せられ、刀身の美観を高めています。
 現状未鑑定ですが、特別保存までは問題ないかと思われます。
 『一竿子』銘、元禄年紀入り、同工最良期の佳品です。


















商品番号:M-067 刀 粟田口一竿子忠綱

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