脇差し 上総介藤原兼重
(かずさのすけふじわらのかねしげ)
(金象嵌)寛文六年五月十九日(一六六六年)
貮ッ胴切落 山野勘十郎久英(花押)


Wakizashi:Kazusanosuke Fujiwarano Kaneshige



新刀・武蔵 江戸前期
良業物
特別貴重刀剣認定書付き




刃長:52.4(一尺七寸三分弱) 反り:0.8 元幅:2.99
先幅:2.11 元重ね:0.65 先重ね:0.46 穴1




 鎬造り、鎬尋常庵棟低め、中切っ先やや詰まる。 鍛え、地沸を厚く付けた板目肌が、所々大模様に肌立つ鍛えで、地鉄良好。 刃文、互の目乱れを主体とした刃文は、所々数珠刃風の揃った互の目を交えて焼き、互の目の沸足繁く入り、砂流し掛かり、匂い口の沸匂いが深く明るい。 帽子、湾れ調で沸付いてほつれ、先強く掃き掛けて返る。 茎生ぶ、先刃上がり栗尻、鑢化粧筋違い。 銅に銀着せ二重ハバキ(被せ部分は金着せ)。 時代研磨。 白鞘入り。



【コメント】
 上総介兼重は、寛永二年生まれ、辻助右衛門と言い、和泉守兼重の子、又は弟子と伝わる兼重の二代目、活躍期は明暦から延宝頃まで、長曽祢虎徹とほぼ同時代の刀工です。
 作風も互の目の連れた数珠刃風の刃文を得意としていますが、虎徹に先立って、万治四年には、既に完全なる数珠刃を焼いた作品を残していることから、兼重が虎徹の数珠刃に大きな影響を与えたことは間違いないでしょう。また虎徹同様に、その凄まじい斬れ味を持って名を馳せ、山野加右衛門永久、山野勘十郎久秀、前島八郎友次ら、当時の試し斬り名人の金象嵌銘をまま見受けます。
 受領銘は、初め『上総守』、後に『上総介』に転じたという説、両方を切り分けたという説があり、『上総介藤原兼重』と切る場合が最も多く見られます。年紀作はほとんど見られません。
本作は寸法一尺七寸三分、切っ先やや詰まり気味で、反り浅めに付いた典型的な寛文新刀姿を示しています。
 地沸を厚く付けた板目肌が、所々大模様に肌立つ鍛えに、互の目乱れを主体とした刃文は、所々数珠刃風の揃った互の目を交えて焼き、互の目の沸足繁く入り、砂流し掛かり、匂い口の沸匂いが深く明るいなど、地刃共に大きな疵なく、健全です。
 茎裏には、山野勘十郎久英による『貮ッ胴切落』の金象嵌截断銘が入っており、これにより、寛文六年、同工四十二歳の頃の作と分かります。久英は江戸前期に活躍した試し斬り名人、山野加右衛門永久の子で、父に代わって寛文五年頃からこれを受け継ぎ、以降延宝、天和、貞享頃までの金象嵌銘が残されています。
 現状認定書のみですが、特別保存までは間違いありません。
 その凄まじい斬れ味は、武用を重んじる、江戸武士の好みに適った強靱な一振り、上総守兼重の典型作佳品、何処にも出ていない生ぶ品です。


















商品番号:M-123 脇差し 上総介藤原兼重 特別貴重刀剣認定書付き

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