刀 伊予掾源正次(二代伊予掾宗次初期銘)
(いよのじょうみなもとのまさつぐ)
(金象嵌)二ッ胴截断 寛文八年五月廿二日(一六六八年)
人見伝兵衛重次(花押)


Katana:Iyonojo Minamotono Masatsugu



新刀・肥前 江戸前期
特別保存刀剣鑑定書付き




刃長:67.6(二尺二寸三分強) 反り:1.3 元幅:3.25
先幅:2.14 元重ね:0.80 先重ね:0.59 穴2(内2埋)




 鎬造り、鎬尋常庵棟低め、中切っ先。 表裏棒樋を掻き流す。 鍛え、小板目が沈み勝ちに詰んだ綺麗な鍛えは、繊細な地景をふんだんに配し、地沸厚く付いて、地鉄良好。 刃文、直湾れ調の焼き刃は、刃縁匂い勝ちに小沸の付き、匂い口潤むように明るい。 帽子、直調で先僅かに掃き掛け返る。 茎磨り上げ、先浅い栗尻、鑢勝手上がり。 銅に銀着せハバキ。 時代研磨(小サビ、ヒケ有り)。 白鞘入り。
 



【コメント】
 伊予掾宗次一派は、肥前鍛冶でありながら忠吉一派とは系統を異にしており、志津風を狙った相州伝乱れ刃を得意としました。
 初代宗次は、初代忠吉と並ぶ新刀肥前鍛冶の幕開けを飾った名工で、幕末まで八代に及びます。
 本工の正次は、初代宗次の初期銘とも言われますが、初代作は寛永(一六二四~四四年)頃までしか見られないのに対し、正次銘の作は慶安(一六四八~五二年)頃からしか見られないため、同人とするならば、初期銘ではなく、むしろ後期晩年銘になります。しかしながら正次には『伊予掾二代目正次於武州江戸作之』の銘が残されていることからして、正次は二代伊予掾宗次の初期銘と考えられます。更に本作は鑢目が勝手上がりになっていますが、初代は切りであり、勝手上がりになるのは、正次及び二代であることも一つの裏付けになるかと思います。
 本作は一寸程磨り上がっていますが、身幅、重ねのガシッとした健全な一振り、小板目が沈み勝ちに詰んだ綺麗な鍛えは、繊細な地景をふんだんに配し、同工には稀な直湾れ調の焼き刃は、刃縁匂い勝ちに小沸の付き、匂い口に深みがあって潤むように明るい刃を焼いています。破綻のない端正な直刃調の焼き刃は、如何にも斬れそうな雰囲気が漂っています。
 本作には寛文八年、人見伝兵衛重次による、『二ッ胴截断』の金象嵌截断銘が入っています。重次は、山野加右衛門尉永久、勘十郎久英親子と同時代、寛文前後の江戸で活躍した試し斬り名人です。
 前述した銘振りからも分かるように、同工は江戸でも鍛刀していますので、その頃に試し斬りを行ったものと考えられます。またこの金象嵌銘により、その斬れ味の鋭さは勿論、この頃江戸に住していたこと、まだ正次銘を名乗っていたこと等々、様々な情報を与えてくれています。
 二代伊予掾宗次の初期銘作、その動向を窺い知る上でも貴重な銘振りであると共に、希少な直刃の代表作とも成り得る斬れ味鋭い逸品です。
















商品番号:M-254 刀 伊予掾源正次(二代伊予掾宗次初期銘) 特別保存刀剣鑑定書付き

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