短刀 長谷部国重
(はせべくにしげ)
Tanto:Hasebe Kunishige
古刀・山城 南北朝中期
拵え付き
特別保存刀剣鑑定書付き

刃長:26.7(八寸八分強) 反り:0.3 元幅:2.67 元重ね:0.42 穴3

小さ刀拵え(江戸期 全長54 鞘 小豆色石目地 こじり、栗型は鉄地、赤銅据紋象嵌、井桁に十六菊の家紋図 小柄、鉄地に横鑢、護摩模様布目象嵌 柄 鮫に丁子色柄巻き 縁頭、こじり、栗型と同作同図 目貫、赤銅容彫井桁に十六菊紋家紋図 鍔 赤銅研磨地長丸形無地)付き。

【コメント】
長谷部国重は、『正宗十哲』にその名を連ねる山城長谷部一派の棟梁、活躍期は南北朝中期の延文(一三五六~六一年)、貞治(一三六二~六八年)頃、同時期の相州の廣光、秋廣と同様に、相州伝乱れ刃の作風を展開した人気刀匠です。
作風は、刃文は湾れと互の目を基調とした沸出来の乱れ刃を本位とし、鍛えは板目肌を主体にして、刃寄りと棟寄りには流れ肌が目立ちます。
在銘現存作は短刀、小脇差しが大半で、長尺刀の多かった時代の刀工であるため、太刀はほとんど磨り上げられており、在銘はまず見ません。
短いものは一尺前後の作が多く、至って重ねを薄く造り込む点も同工の見所です。
本作は寸法八寸八分強、貴重な生ぶ在銘短刀、三ッ棟で重ねを薄造りに仕立てた同工の典型的なスタイルです。
地沸を厚く付けた板目肌が肌立ち気味に流れ、湾れ互の目調の刃文は、刃縁の沸匂い深く、匂い口潤み勝ちに明るい出来を示しています。
南北朝中期の作であるため、総体的な研ぎ減り、細かな鍛え肌等はありますが、特別保存鑑定の付いた長谷部国重の在銘短刀は中々ないでしょう。
付属の外装は、江戸期の小さ刀拵えで、鉄地一作金具には井桁に菊紋が入るなど、上品に雰囲気良く誂えてあります。




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