短刀 兼衡
(かねひら)


Tanto:Kanehira



古刀・美濃 安土桃山期



刃長:29.7(九寸八分)反り:僅か 元幅:2.69 元重ね:0.66 穴1



 平造り、庵棟低め。 表裏棒樋に添え樋を掻き通す。 鍛え、板目が総体的に良く詰み、流れ肌を交えて上品に肌立ち、地沸良く付き、地鉄良好。 刃文、大互の目、箱刃、矢筈風の刃を交えた刃文は、匂い勝ちに小沸付いて、刃中繊細な金筋、砂流し掛かり、匂い口も明るく締まる。 帽子、湾れ込んで先尖り心に長く返る。 茎生ぶ、先栗尻、鑢切り。 銀二重ハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。



【コメント】
 兼衡は美濃鍛冶の一人、銘鑑では宝徳(一四四九~五二年)、文明(一四六九~八七年)、天正(一五七三~九二年)、寛文(一六六一~七三年)頃にその名が挙がっていますが、造り込み、地刃の雰囲気から天正頃の兼衡で間違いないかと思います。『濃州岐阜住兼衡』の銘が残されていることから、元々は関出身で後に岐阜へ移ったものと考えられます。
 本作は寸法九寸八分、伸びやかでしっかりとした姿、板目が総体的に良く詰んだ地鉄、大互の目、箱刃、矢筈風の刃を交えてふっくらと華やかに焼いた刃文は、匂い勝ちに小沸付いて、刃中繊細な金筋、砂流し掛かり、匂い口も明るく締まっています。
 同工の出自に付いては明確ではありませんが、地刃の出来からして、関七流の中でも善定派兼房系統の鍛冶であると思われます
 銘は全く問題なく、欠点と言えば、表の平地に一ヶ所僅かに鍛え肌があるぐらいです。これでも添え樋の残り具合からして、時代相応の研ぎ減りはありますが、焼き刃は至って健やかで華やか、兼衡の作はほとんど見ませんので貴重、勿論本誌初掲載です。








商品番号:M-330 短刀 兼衡

価格: ¥300,000 (税込)
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