刀 写清麿 肥後国八代住赤松太郎兼裕作
(ひごのくにやつしろじゅうあかまつたろうかねひろつくる)
癸巳年七月吉日(平成二十五年) 以自家製鉄鍛之
Katana:Higonokuni Yatsushiroju Akamatsu Taro Kanehiro
現代・熊本

刃長:76.2(二尺五寸一分強) 反り:1.8 元幅:3.66
先幅:3.12 元重ね:0.78 先重ね:0.62 穴1


【コメント】
赤松一派は、熊本県八代市に鍛刀場を設け、木村兼重を筆頭に、子の兼嗣、兼照、兼裕三兄弟、兼嗣の子である兼光、兼幸兄弟も皆刀匠で、その他にも多くの門人を抱える一大派閥、皆『赤松太郎』を冠し作刀しています。
『赤松太郎』の名は、熊本県八代市と熊本県葦北郡芦北町(あしきたぐんあしきたまち)を結ぶ『赤松太郎峠』に由来しています。
同派は昭和の終わりから平成に掛けて、『清麿写し』を世に送り出し、結果的には、これが現代刀ブーム再燃のきっかけともなりました。
本工の兼裕は、赤松三兄弟の末弟、木村馨(かおる)と言い、昭和三十六年生まれ、次男の兼照よりも早く刀匠を志し、昭和五十六年より作刀許可を得ています。
本作は同工五十二歳の頃の作、同派の真骨頂とも言える『清麿写し』です。
寸法二尺五寸一分強、グッと伸びた切っ先は11㎝弱、元幅3.66㎝、先幅も3.12㎝、豪快な南北朝期の太刀姿を示しており、刀身のみで1,076gあります。
互の目丁子乱れを主体とした焼き刃は、矢筈風の刃、角張った刃を交え、刃縁匂い勝ちに明るく締まるなど、迫力満点の華やかな逸品です。
『清麿写し』の醍醐味を存分にご堪能頂ける、赤松太郎兼裕円熟期に於ける渾身作、現代刀入門編としても最適です。




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