刀 大道(無銘)
(だいどう)
(切付銘)槿(むくげ)号
Katana:Daido(Mumei)
古刀・美濃 安土桃山期
保存刀剣鑑定書付き
探山先生鞘書き有り

刃長:63.0(二尺八分弱) 反り:1.0 元幅:3.39
先幅:2.57 元重ね:0.65 先重ね:0.49 穴3


【コメント】
本作は大磨り上げ無銘ながら『大道』と極められた一振り、寸法二尺八分弱、大切っ先で三つ棟、反りやや浅めに付き、元先身幅の差が少ない豪壮な姿で、探山先生鞘書きにもあるように、天正、文禄頃の作と鑑せられます。
室町最末期から江戸前期に掛けて、美濃には大道を名乗る刀工が数名いますが、本作は地刃の出来、造り込みからして陸奥守大道の作と鑑せられます。
板目に細かな流れ肌を交えて総体的に良く詰んだ地鉄は、白け心があり、互の目、尖り風の刃、箱掛かった刃を間遠に焼き、刃縁明るく締まり気味となっています。
茎に刻まれた『槿(むくげ)』の号に付いて、槿の花は、通称『一日花』と言われる程パッと咲いてパッと散りゆく花、また人の栄華は儚いことの例えとして、『槿花一日(きんかいちじつ)』という言葉もあります。
確かに散り際を重んじる武士道精神に則した号でありながら、槿の花がそうであるように、短いが故に1日1日を懸命に生きようと願った所持者の思いもまた伝わってくる気がします。
この期に於ける関鍛冶の特色を存分に示した豪壮健全な佳品、『槿号大道』です。



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