刀 相州住廣次
(そうしゅうじゅうひろつぐ)
Katana:Soushuju Hirotsugu
古刀・相模 室町後期 拵え付き
特別保存刀剣鑑定書付き
探山先生鞘書き有り

刃長:61.7(二尺四分弱) 反り:2.2 元幅:2.75
先幅:1.74 元重ね:0.71 先重ね:0.41 穴2

打ち刀拵え(近代作 全長90 鞘 黒の呂鞘 下げ緒黒 柄 親鮫に紺柄巻き 縁頭、赤銅魚子地据紋象嵌色絵、獅子の図 目貫、金無垢地容彫、獅子図 鍔 銘英川斎香好花押 鉄地丸形肉彫透、色絵象嵌 銀覆輪 源平合戦図)付き。

【コメント】
南北朝期の名工相州廣光、秋廣の亡き後、やや振るわなかった相州鍛冶ですが、 室町後期の文明(一四六九~八七)から明応(一四九二~一五〇一年)頃に掛けて、廣正、正廣、吉廣、廣次、助廣らが大いに活躍し盛り返しました。
この頃の相州鍛冶の大きな特徴として、華やかな乱れ刃、皆焼き刃、飛び焼きといった、伝統的な作風は墨守されながらも、当時流行であった備前伝、美濃伝に影響を受けた作も多く見られるようになります。
本工の廣次は、前述のように室町後期の代表工、年紀はありませんが、その特徴的な銘振り、探山先生鞘書きにもあるように、明応期の廣次です。
相州廣次系は、初代を南北朝最初期の建武頃と伝えていますが、その頃の在銘正真確実なものは現存していません。以降同銘が数代に渡っていますが、実際作が残されているのは、文明頃の廣次からであり、本工は文明廣次の子とされています。
寸法二尺一寸三分弱、寸がやや詰まって先反り深めに付いた造り込みは、当時主流であった片手打ちスタイル、決して豪壮ではありませんが、上品な太刀風の姿です。
総体的に良く詰んだ地鉄、互の目丁子乱れを主体とした刃文は、小互の目、小乱れ、尖り心の刃を交えてやや腰開きとなり、所々飛び焼きも交え、刃縁明るく締まり、刃中葉、小足がふんだんに入っています。帽子も焼き深く、ほぼ一枚風に返っています。
表裏腰元には草の倶利伽羅、裏に梵字がありますが、これは典型的な相州彫り、草の倶利伽羅でありながら、三鈷部分のみ密に彫るのが特徴です。
探山先生鞘書きにも、『闊達に乱れる互の目乱れに飛び焼きを交え、巧技の彫りを施すなど、同工の特色を明示する優品也。』とあります。
地に少し緩みもありますが、この期の相州物らしい出来映えで、典型彫りもあり、拵え付きですので、強くお薦めします。






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