脇差 丹波守吉道(京初代)
(たんばのかみよしみち)
Wakizashi:Tanbanokami Yoshimichi
新刀・山城 江戸初期 良業物
特別保存刀剣鑑定書付き

刃長:41.5(一尺三寸七分弱) 反り:1.1 元幅:3.33 元重ね:0.77 穴1


【コメント】
丹波守吉道(京初代)は、美濃国大兼道の三男に当たり、文禄年中、父、兄伊賀守金道、和泉守来金道、弟越中守正俊と共に京へ移りました。文禄四年に『丹波守』を受領、以後寛永中頃まで作が残っています。年紀作はほぼ皆無に等しく、元和七年紀の脇差しが一振り現存するのみです。子孫、門弟達も分派して幕末まで大いに繁栄、三品鍛冶の名声を高めました。
特に初代は銘字の『丹』の字が、風を受ける帆の如き形状となることから、『帆掛け丹波』と呼称され珍重されます。
作風は、その出自である美濃伝を独自に発展させた沸出来の乱れ刃を本位とし、中でも同工創案の『簾刃』は、三品鍛冶の代名詞ともなっていますが、技巧的で絵画的な簾刃の完成を見るのは、後代のことです。
本作は寸法一尺三寸七分弱、身幅、重ねのしっかりとした勇壮な平脇差しで、典型的な慶長新刀スタイルを示しています。
小板目が総体的に良く詰み、所々流れ肌が強く肌立ち、細かな地景を交えた地鉄、幅広の湾れ調の刃文は、互の目を交えてやや箱掛かり、一部簾状の刃を交え、刃縁沸匂い深く付いて明るく、刃中葉、小足が繁く入っています。
刃中に細かな炭籠りが僅かにありますが、特別保存鑑定が付いて、簾刃の源流が垣間見える同工典型作、『帆掛け丹波』の書体を明瞭に示した銘字も流麗でピシッと決まっています。



お買いものガイド
