刀 勝村徳勝(無銘)
(かつむらのりかつ)
Katana:Katsumura Norikatsu
新々刀・常陸 江戸末期
保存刀剣鑑定書付き

刃長:67.2(二尺二寸二分弱) 反り:0.9 元幅:2.98
先幅:2.12 元重ね:0.69 先重ね:0.60 穴2


【コメント】
本作は磨り上げ無銘ながら『勝村徳勝』と極められた逸品です。
徳勝は水戸藩士の子として、文化六年に生まれ、市毛徳鄰門人の関内徳宗に学び、後に水戸藩工となります。嘉永五年、水戸烈公こと徳川斉昭の命により江戸に出て、細川正義や運寿是一にも学び、斉昭の向こう槌も務めました。
幕末期の尊皇攘夷運動の激化に伴って、水戸刀の重要が急激に増えると、水戸藩は、江戸小石川の水戸家上屋敷に鍛刀場を設け、徳勝を現場責任者に任命、弟子数名とで構成された刀剣製作者集団は、『勝村工房』と呼ばれました。
その後も水戸藩士のために最高水準の実戦刀を提供しました。明治五年、六十四歳にて没。
本作は反りやや浅め、身幅しっかりとした健全な一振り、緩やかな波状の柾目肌が流れる精良な地鉄は、地色明るく、肌目に沿って太い地景風の湯走りが激しく幾重にも掛かり、直湾れ調で小互の目を交えた刃文は、地の働きが刃にも絡んで烈しい金筋、砂流しとなって現れています。
地に少し鍛え肌もありますが、何とも見応えのある沸の働きをお楽しみ頂けます。
勝村徳勝の一作風を良く示した幕末刀、この度鑑定が付いたばかりの激生ぶ品です。


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