脇差し 肥後大掾源種廣
(ひごだいじょうみなもとのたねひろ)
Wakizashi:Higodaijo Minamotono Tanehiro
新刀・肥前 江戸前期 拵え付き

刃長:42.2(一尺三寸九分強) 反り:0.8 元幅:2.94
先幅:2.16 元重ね:0.56 先重ね:0.43 穴2

脇差拵え(江戸期 全長64 鞘 黒の呂塗り 下げ緒麻の黒 柄 鮫に黒柄巻き 縁頭四分一石目地赤銅据紋象嵌、唐草に橘図 目貫、赤銅容彫色絵、牡丹獅子図 鍔 銘・武州住正直 赤銅と真鍮の合わせ木瓜形透鍔、菊の葉図)付き。

【コメント】
種廣は、市太郎、市太と称し、肥後大掾を受領、寛永から寛文頃に活躍した刀工で、肥前佐賀で鍛刀、後に平戸でも鍛刀していますが、作品はあまり見掛けません。銘は『肥前国市太郎源種廣』、『肥前佐賀住市太』、『肥後大掾源種廣』などと切ります。
肥前忠吉一派とは系統を異にする刀工で、その出自ははっきりとしていませんが、同時期の平戸刀工に守安、守秀らがおり、『肥前国住市太源守安』、『肥前平戸住市太郎源守秀』のように銘を切っていますので、同工もこれらの刀工と同系ではないかと考えられます。
本作は身幅カチッとして、華やかな乱れ刃を焼いた同工会心作です。
互の目乱れを主体に、丁子風の刃、小互の目、尖り風の刃を交えた焼き刃は、刃縁明るく冴え、刃中金筋、砂流し掛かり、地に飛び焼きを交えており、物打ち付近は特に焼き高く鎬に掛かっています。
地に少し鍛え肌等もありますが、とにかく刃が健やかで華やか、激生ぶ品で現状未鑑定ですが、銘も全く問題ありません。
肥前種廣の貴重な現存作、これは良く出来ています。


お買いものガイド
