脇差し (折返銘)備州長船康光
(びしゅうおさふねやすみつ)
Tanto:Bishu Osafune Yasumitsu
古刀・備前 室町初期 大業物 拵え付き
保存刀剣鑑定書付き

刃長:52.1(一尺七寸二分弱) 反り:1.0 元幅:2.93 元重ね:0.66 穴1

上脇差拵え(江戸後期 全長70 鞘 黒の呂鞘 上下げ緒、黒と小豆の二色 しとどめ金無垢 小柄笄欠 柄 大粒親鮫に黒柄巻 縁頭、赤銅魚子地高彫色絵、家紋の図 目貫、金火縄銃図 鍔 銘安隆 赤銅魚子地高彫点金象嵌、荒波図 耳、籠目紋金象嵌 両櫃孔 切羽、金無垢、家紋毛彫)付き。

【コメント】
室町初期の応永(一三九四~一四二八)頃に活躍した備前長船鍛冶を応永備前と総称しており、その中でも康光、盛光、師光は『応永の三光』と呼称され、長船鍛冶中興の祖としても名高い名工達です。 応永備前の作風は、互の目丁子刃を主体とした華やかな乱れ刃、『応永杢』と呼称される杢目が目立って肌立つ鍛え、直調の映りが多い点などが特徴です。
本作は応永康光の平脇差し、寸法一尺七寸二分弱、身幅しっかりとした均整の取れたスタイルで、磨り上げの際に銘を惜しんで『折返銘』としています。折り返された銘の位置からして四寸程磨り上がっていますので、元来平作りの打刀で 二尺一寸以上あったことが分かります。
平作り打刀と言えば、古くは鎌倉中期の粟田口国吉、重要文化財指定の名物『鳴狐(一尺七寸八分強)』が有名、以後長船兼光、近景、盛景、義景、小反り、吉井一派等、南北朝期の備前系統に若干見られます。
応永備前の平脇差しは、寸法一尺三寸から六寸程で、先反り付いて、身幅の割に寸が延びたスタイルが大半ですが、刀は珍しいです。
随所に『応永杢』を交えた精良な地鉄、小互の目乱れに小丁子、小乱れ交じりの刃文は、通常よりやや小模様ですが、この鉄味の良さは大きな見所です。
金着せ二重ハバキには丸に三つ星、八つ剣紋透かしが施してあり、江戸期の立派な外装は、切羽、しとどめは金無垢、赤銅魚子地金具使用で、縁頭には笹竜胆(りんどう)、丸に三つ星、織田木瓜、六条藤、車紋など家紋が散らしてあります。
鍛えの美しい備前物をお求めならば是非、内外楽しめる応永備前康光です。






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