短刀 備州長船義景
(びしゅうおさふねよしかげ)
貞治六年正月日(一三六七)
Tanto:Bishu Osafune Yoshikage
古刀・備前 南北朝中期 拵え付き 木箱付き
特別保存刀剣鑑定書付き

刃長:29.4(九寸七分) 反り:0.4 元幅:2.80 元重ね:0.41 穴2

合口拵え(江戸後期 全長52 鞘 茶の呂に黒影蒔絵撫子模様図 こじり、鯉口、銀石目地金色絵に据紋赤銅象嵌、蔓の葉図 吊り金具、縁頭同作、輪付き 小柄笄、赤銅魚子地据紋象嵌色絵、鳥打ち図 下げ緒、緑革花模様図 柄 紐巻き金塗り、縁は鯉口合わせ同図 頭、赤銅石目地金色絵、兜金風 出目貫、金無垢獅子図 目釘、赤銅ネジ式)付き。

【コメント】
長船義景の出自に付いては、古来より兼光門人説、長義門人説など様々ありますが、近年の研究では、銘字に『景』の字を使用し、逆鏨を多用した特徴的な銘振りなどから、長光門人の近景や盛景などと同族という見方が有力になっています。
活躍期は、南北朝初期から中期までとされ、備前物にあって刃沸の強い作風から、兼光、長義、兼長、盛景らと同様に相伝備前鍛冶の代表工として名高く、重要文化財二口、重要美術品二口を数える名工です。
作風は、南北朝期特有の幅広で切っ先の延びた大柄な姿に、小湾れ、小互の目、小丁字、角張った刃、尖り風の刃など、様々な刃を交えて焼き、総体的に焼き刃は小模様となります。また薙刀、薙刀直しが多く見られるのも特徴です。
本作は生ぶ在銘で貞治年紀入り、寸法九寸七分、僅かに先反り付き、身幅広めで重ね薄めの造り込みは、南北朝中期の短刀姿を示しています。
湾れ乱れ調に小互の目を交じりの刃文は、刃縁やや沈み勝ちに締まり、二重刃風の沸筋掛かり、刃中金筋、砂流し掛かる出来で、穏やかな刃調ですが、刃沸が強く、刃中も良く働いています。
総体的な研ぎ減り、地刃に鍛え肌もありますが、義景の在銘品は本誌初掲載、且つ分かりやすい貞治年紀入りです。
外装も金無垢の獅子目貫を始め、赤銅に金色絵を施したお洒落な金具、小柄笄もピシッと付いて、箱書き付きの専用木箱に入っています。
相伝備前鍛冶の代表工、長船義景の珍しい短刀の現存作です。







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