刀 水戸住徳勝作
(みとじゅうのりかつつくる)
安政六年八月日(一八五九)
Katana:Mitoju Norikatsu
新々刀・常陸 江戸末期
保存刀剣鑑定書付き

刃長:75.4(二尺四寸九分) 反り:1.8 元幅:3.05
先幅:2.20 元重ね:0.78 先重ね:0.55 穴1


【コメント】
勝村徳勝は、水戸藩士の子として、文化六年に生まれ、市毛徳鄰門人の関内徳宗に学び、後に水戸藩工となります。嘉永五年、水戸烈公こと徳川斉昭の命により江戸に出て、細川正義や運寿是一にも学び、斉昭の向こう槌も務めました。幕末期の尊皇攘夷運動の激化に伴って、その総本山である水戸藩に注目が集まると、水戸刀の重要が急激に増えました。これを受けて水戸藩は、江戸小石川の水戸家上屋敷に鍛刀場を設け、徳勝を現場責任者に任命、弟子数名とで構成された刀剣製作者集団は、『勝村工房』と呼ばれました。
その後も徳勝は実戦本位の刀を追求し続け、水戸藩士のために最高水準の実戦刀を提供しました。明治五年、六十四歳にて没。
尊皇攘夷派の水戸天狗党、桜田門外の変で、井伊直弼を暗殺した水戸浪士達の指料等々、激動の幕末史と徳勝刀は、切っても切り離せない関係、未だその人気に陰りを見せないのはこのためです。
本作は安政六年、同工五十一歳の頃の作で、寸法二尺四寸九分、切っ先鋭角に延び心の幕末刀、手持ちズシンとくるこの重量感、如何にも健全です。
板目が流れ心でやや沈み勝ちに良く詰んだ地鉄、比較的良く揃った互の目乱れをやや腰開き気味に焼いた刃文は、刃中一部烈しい金筋、砂流しが掛かっています。
細かな鍛え肌が少しありますが、これぞ幕末最強の実戦刀、勝村徳勝の自信作です。





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