刀 於よしの国平造之(河内国平)
(よしのにおいてくにひらこれをつくる)
昭和五十七年秋(一九八二)
Katana:Yoshino Kunihira
現代・奈良 打ち刀拵え付き
無鑑査刀匠

刃長:73.9(二尺四寸四分弱) 反り:1.7 元幅:3.13
先幅:2.54 元重ね:0.69 先重ね:0.52 穴1

打ち刀拵え(幕末期 全長104.5 柄長25.5 鞘 黒地に茶の乾漆塗、杢目模様彫の変わり塗鞘 こじり、栗型 金しとどめ有り、鯉口は黒 下げ緒、裏革の薄茶 柄 黒の太い表革巻 縁頭、鉄地鋤出彫、縄繋ぎ模様 目貫、赤銅容彫色絵、波に茄子図 鍔 鉄研磨地菊花形雁金繋地透 現代作)付き。

【コメント】
国平は河内道雄と言い、昭和十六年、第十四代河内守国助の次男として、大阪生駒市に生まれました。同四十一年に人間国宝宮入昭平に入門し、相州伝を学びました。同四十七年に独立して、奈良県吉野郡東吉野村平野に自身の鍛刀場『無玄関』を設立、同五十年に佐藤栄作名誉会長賞を受賞して以降、高松宮賞や薫山賞など数々の賞を複数回受賞、同五十九年には人間国宝隅谷正峯に入門し、備前伝を学び、同六十二年、無鑑査に認定、以降三十年近く毎年無鑑査出品を続けています。平成元年に東吉野村無形文化財、平成十七年には奈良県無形文化財認定、平成二十六年、刀剣界最高賞である『正宗賞』を受賞しました。これは『該当なし』が続いた太刀部門に於いて、十八年振りの快挙でした。平成九年以来出ていない、人間国宝最右翼と言われる名工の一人です。
本作は昭和五十七年、同工四十一歳の頃、寸法二尺四寸四分弱、鋭い大切っ先の勇壮なスタイルは、南北朝期の大太刀の磨り上げ姿を示しています。
小板目に板目交じり、総体的に流れて良く詰んだ地鉄は、地沸強く地景繁く入り、 焼き幅広い湾れ調の刃取りで、互の目、小互の目、小乱れを交えた焼き刃は、刃縁沸付いて匂い深く、細かなほつれ、打ちのけ掛かり、刃中葉、小足繁く入り、金筋、砂流しが掛かるなど、江義弘を狙った同工相州伝の真骨頂とも言うべき意欲作です。
河内国平の相州伝の作は中々手に入りませんので、確実に押さえて頂きたいと思います。





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