短刀 備中国住次直(青江)
(びっちゅうのくにじゅうつぐなお)
文和二二年十月日(一三五五)
Tanto:Biccyunokuniju Tsugunao(Aoe)
古刀・備中 南北朝中期 良業物 拵え付き
特別保存刀剣鑑定書付き

刃長:23.8(七寸九分弱) 反り:僅か 元幅:2.37 元重ね:0.35 穴3

合口拵え(近代作 全長39 鞘 黒の呂鞘に葵紋金蒔絵 下げ緒朱の蛸足 柄 鮫の出し鮫 縁頭黒の呂塗り 目貫、三双葵紋図 目釘、銀に金鍍金 拵え用ハバキ、銀に金鍍金、葵紋透の二重ハバキ)付き。

【コメント】
備中国に於いて、平安末期から室町期まで大いに栄えたのが青江派で、鎌倉中期頃までの作を『古青江』、それ以降南北朝末期までの作を『青江』と総称しています。
本作は青江次直の貴重な在銘短刀で、貴重な文和四年(一三五五)年紀入りです。
次直は吉次の子で、南北朝中期の青江鍛冶の代表工、その代表作として、加賀前田家の御家名物として伝来し、現在は特別重要刀剣に指定されている短刀が有名です。『備中国住次直作 延文五年二月日(一三六〇)』と銘があり、『大青江』の号で呼ばれています。御家名物とは、『享保名物帳』等には所載されていない各大名家に伝わる名刀のことです。
寸法七寸九分弱、極僅かに反りの付いた上品な姿で、細直刃調の焼き刃は、刃縁匂い勝ちに小沸付き、やや沈み勝ちに締まり、小板目に小杢目を交えた精良な地鉄は、所々流れ心に肌立ち、地沸微塵に厚く付いて地班状の映り立ち、細かな地景繁く入り、刃区下より水影が立っています。
研ぎ減りは多少ありますが、上品に整った綺麗な短刀です。
金無垢二重の台付きハバキはズシンと重く、葵紋透かしが入っており、古い登録証は、昭和二十六年の埼玉『二七八』号です。
付属の外装は、葵紋金蒔絵鞘合口拵え、拵え専用の銀に金鍍金二重ハバキ付属で、こちらも葵紋透かしが入っています。
加賀前田家の御家名物『大青江』作者、青江次直の貴重な年紀入り短刀、見所満載の名品です。





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