短刀 (金粉銘)左(末左・大左一門)
(さ)
琳雅(花押)
Tanto:Sa
古刀・筑前 南北朝期
特別保存刀剣鑑定書付き
本阿弥琳雅鞘書き有り

刃長:27.0(八寸九分強) 反り:0.2 元幅:2.41 元重ね:0.40 穴2


【コメント】
南北朝中期以降、筑前国では正宗十哲の一人である左文字の門人達が、師伝を良く継承し大いに繁栄、これらを総称して『末左』と呼んでいます。一門には、安吉、行弘、国弘、吉貞、弘行、弘安、貞吉、吉弘、定行などがいます。
本作は寸法八寸九分強、三つ棟で重ね薄め、僅かに反りのある南北朝期短刀で、ほぼ生ぶの姿を留めています。
無銘ながら、本阿弥琳雅による金粉銘で『左』の極めが付されており、大正六年の鞘書きも同人で、『代金子二百枚』の代付けが成されています。
鑑定では金粉銘を認めた上で『末左・大左一門』と但し書きがあります。
琳雅は、明治、大正期に活躍した刀剣研磨及び鑑定師で、人間国宝本阿弥日洲の師に当たります。初め成善と銘じ、明治四十四年、琳雅と改名、昭和二年、六十八歳没。
やや黒みを帯びた板目肌が流れ心に肌立つ地鉄は、地沸厚く付いて地景繁く入り、互の目乱れ調で、小互の目、湾れを交えた焼き刃は、刃縁烈しく沸付いて匂い深く、所々沸崩れとなり、刃中金筋、砂流しが頻りに掛かっています。帽子も湾れ調で沸付き、先尖り心に強く掃き掛け返るなど、同派らしい覇気溢れる明るい刃を焼いています。
多少研ぎ減りもありますが、金粉銘も鞘書きも正真、左文字一派の典型作です。


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