剣 大和古剣(生ぶ無銘)
(やまとこけん)
Ken:Yamatokoken
古刀・大和 鎌倉末期
特別保存刀剣鑑定書付き
探山先生鞘書き有り

刃長:21.9(七寸二分強) 反り:なし 元幅:1.78 元重ね:0.82 穴1


【コメント】
剣の作例は、古くは平安期より見られますが、これらは勿論実戦用ではなく、御神体、仏像の持ち物、仏教的な魔除けの器としての意味合いが強く、政(まつりごと)のための特注品でもあったため、武士よりも僧侶に好まれました。ほぼ無銘作で、東大寺や興福寺などの大寺院を始め、数多くの寺院に抱えられていた大和鍛冶の遺作が多く見られますが、南北朝期を下らない現存作は僅少です。
本作は生ぶ無銘の剣、寸法七寸二分強、しっかりとした肉付き、厚みがあり、見るからに健全な姿を示しています。
本作のように日刀保鑑定で『大和古剣』と極める場合、南北朝期を下らない作に限られ、室町期以降の作は、『古剣』とのみ表記されます。
綺麗な小板目肌は、細美な地沸が微塵に厚く付き、柔らかく繊細な柾流れ交じる美しい鍛えで、細直刃湾れ調の焼き刃は、刃縁小沸付いて匂い深く、ほつれ掛かり、明るく締まり気味で、焼き刃に沿って、二重刃風に沸筋立ち、刃中小足が繁く入り、上品な金筋、砂流し掛かるなど、古作大和物らしい、多彩で美しい沸の働きが、随所に見られます。
刃に少し鍛え肌もありますが、研ぎ減り感のない地刃は、刀身だけ見ると新々刀ではないかと思うような地刃の張り、健やかさがあります。大和古剣らしい、古調なスタイルも大変好ましく、茎の形状も雰囲気があります。
探山先生鞘書きにも、『生ぶ茎無銘で、姿態及び茎の形状共に格調すこぶる高く、典雅な直刃を焼いた優品也。時代は鎌倉末期であろう。』とあるように、鎌倉末期を下らない大和古剣として、これぐらい魅力的で、雰囲気のある作は希少、強くお薦め致します。

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