脇差し 来国光(生ぶ無銘)
(らいくにみつ)
Wakizashi:Rai Kunimitsu
古刀・山城 南北朝前期 最上作
特別保存刀剣鑑定書付き
探山先生鞘書き有り

刃長:34.5(一尺一寸四分弱) 反り:0.3 元幅:2.80 元重ね:0.63 穴3


【コメント】
来国光は、国俊の子と伝わり、来一門の正系を継いだ名工、国宝三口、重要文化財二十四口、重要美術品二十三口を数え、その数は父国俊と並んで同派中突出しています。また国宝短刀『有楽来国光』を始め、重要文化財『塩川来国光』、『池田来国光』、『新身来国光』などの名物も多く、名実共に同派の最高峰鍛冶と言えます。
現存する年紀作は僅少ですが、鎌倉最末期の嘉暦元年(一三二六)を上限とし、下限は南北朝中期の観応二年(一三五一)になります。
その活躍時期が、鎌倉末期から南北朝中期であるため、現存品の太刀、短刀を見ても、寸法、造り込み、身幅など広狭長短様々、作風に付いても、伝統の来直刃のみならず、直刃調に小足入るもの、直刃調に小互の目、小丁子、小乱れを盛んに交えるもの、逆足入る京丁子交じりのもの、互の目が大模様に乱れたもの等々多彩を極めており、大変器用な刀匠であったことが知られています。
本作は生ぶ無銘で『来国光』の極めが付された菖蒲造り脇差し、寸法一尺一寸四分弱、鎬高く、身幅広め、僅かに先反りの付いたスタイルは、南北朝前期頃の作と鑑せられます。
小板目良く詰んだ精良な地鉄は、所々板目流れ心に肌立ち、沸映り立ち、直刃調で小互の目を多く交えた焼き刃は、刃縁明るく冴え、刃中小足、葉が繁く入り、刃区より水影が立っています。
刃中の煌めくような沸粒は、来派の最上工である証、探山先生鞘書きにも、『地刃に来気質が著しく、格調高く、抜群の冴えを見せており、所伝は首肯される。』とあります。
来派の筆頭鍛冶としての貫禄を存分に示した格調高き優品です。



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