大・小
刀 無銘(長船祐光)
(おさふねすけみつ)
脇差し 無銘
Katana:Mumei(Osafune Sukemitsu)
Wakizashi:Mumei
刀:古刀・備前 室町後期 拵え付き 内外共に特別貴重認定書付き
脇差し:古刀 室町期 拵え付き(拵えに特別貴重認定書付き)

先幅:2.06 元重ね:0.69 先重ね:0.47 穴2
脇差し 刃長:43.3(一尺四寸三分弱) 反り:1.0 元幅:2.99 元重ね:0.66 穴1

【刀】
鎬造り、鎬庵棟高め、中切っ先。 鍛え、小板目に板目を交え、流れ心に肌立ち、地色やや黒み勝ち、地沸良く付き、映り心があり、地鉄良好。 刃文、互の目に湾れ、小湾れ、小互の目交じりで、刃縁匂い勝ちに小沸付いて締まり、刃中小足、葉入る。 帽子、湾れ込んで沸付き、先掃き掛け返る。 茎磨り上げ、先急な刃上がり栗尻、鑢切り。 銅に銀着せ猪目透かしハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。
【脇差し】
菖蒲造り、鎬高く庵棟尋常。 表は護摩箸、裏は素剣の生ぶ彫りがあり、茎途中で掻き流しとなる。 鍛え、小板目に板目、杢目交じり、流れ心に強く肌立ち、地色やや黒み勝ち、地沸良く付き、地鉄概ね良好。 刃文、湾れ乱れ調で小互の目交じり、刃縁良く沸付いて匂い深く沈み勝ちとなり、刃中金筋、砂流し掛かる。 帽子、湾れ調で沸付き、先掃き掛け返る。 茎磨り上げ、先栗尻、鑢筋違い。 銅に銀着せ猪目透かしハバキ。 時代研磨(小サビ有り)。 白鞘入り。
大小拵え(近代作 大 全長97 柄長23 小 全長63 鞘大小共 黒地に青貝螺鈿散らし鞘 下げ緒、薄鉄紺、卯の花の二色 柄大小共 親鮫に黒柄巻 縁頭、赤銅石目地高彫金色絵、田舎家の図 目貫、赤銅容彫色絵、兜の図 鍔大小共 銘江州宗典作 鉄地丸形肉彫透、金色絵、耳にも金色絵 賢人図 全て同作同図 脇差に小柄あり 赤銅魚子地容彫、金色絵、恵比寿様図)付き。

【コメント】
本作は共に無銘の大小で、登録証も島根県登録の連番になっています。
大は、寸法二尺七分強、茎短めで一見生ぶ茎風ですが、磨り上げだと思います。認定書では『長船祐光』に極めているように、出来は如何にも室町期の備前物、少し鍛え肌もありますが、刃は健全です。地刃の雰囲気的にも、確かに祐光とか賀光辺りでしょうか。今の鑑定に出すのも良いかと思います。
小は、寸法一尺四寸三分弱、生ぶ彫りの位置からして少し磨り上がっています。
研ぎが古いためか、やや刃が沈み勝ちで、地に少し荒れも出ていますが、地刃の雰囲気、彫り物からして京信国系、越後山村正信系、スタイル的にも室町前期は下らない作と鑑せられます。
表は護摩箸、裏は素剣があり、簡素な彫りですが、如何にもこの系統に見られる真面目な彫りです。こちらも鑑定に出すのが良いでしょう。
付属の外装も大小で認定書付き、青貝螺鈿散らし鞘に宗典製鉄鐔が付いた大小揃いの一作、飾って楽しめる逸品です。

