脇差し 備州長船盛光
(びしゅうおさふねもりみつ)
応永廿九年二月日(一四二二)
Wakizashi:Bishu Osafune Morimitsu
古刀・備前 室町初期 大業物
特別保存刀剣鑑定書付き
刃長:47.7(一尺五寸七分強) 反り:1.2 元幅:2.88
先幅:1.99 元重ね:0.65 先重ね:0.41 穴3
【コメント】
長船盛光は、同銘が数代に渡っていますが、室町初期応永(一三九四~一四二八)頃に活躍した修理亮(しゅりのすけ)盛光が最も上手く、同時期の康光、師光と共に『応永の三光』とも呼称される応永備前鍛冶の代表工です。
応永備前の作風は、互の目丁子刃を主体にして、一見鎌倉期の一文字派の作域を思わせるものがありますが、焼き刃に腰開きの乱れが目立つ点、応永杢と呼ばれる杢目が目立って肌立つ点、直調の映りが多い点、乱れ込んで先が尖って返るローソク帽子などに、応永備前ならではの特徴が見られます。 本作に俗名はありませんが、その銘振り、年紀からして修理亮盛光に間違いない佳品、寸法一尺五寸七分強、典型的な応永期の脇差しです。
良く練られた応永杢が顕著に現れた地鉄、小互の目、小丁子を交えた刃文は、刃縁明るく締まり気味で、刃中柔らかな金筋、砂流し掛かり、帽子も乱れ込んで先尖り心に返るなど、応永備前の典型的な出来で、 地刃も健全です。
『応永の三光』、修理亮盛光の年紀入り、応永備前鍛冶の典型乱れ刃をお探しならばお薦めです。