笹穂槍 越中守正俊
(えっちゅうのかみまさとし)
Sasahoyari:Eccyunokami Masatoshi
新刀・山城 江戸初期
特別貴重刀剣認定書付き
刃長:21.8(七寸二分弱) 反り:なし 最大幅:3.33 穴1
【コメント】
正俊は、関兼道の四男で、天正の末から文禄の初め頃、父と兄伊賀守金道、和泉守来金道、丹波守吉道らと共に美濃から山城へ移住したと伝わり、新刀鍛冶の最大派閥、三品一派を興し、その代表工として一門を牽引しました。
僅少な年紀作に見る活躍期は、慶長五~寛永六年になります。
作風は、互の目に小湾れを交えた志津風の刃、末関風の互の目丁子、兼元風の三本杉尖り互の目など、その出自である美濃伝を得意としますが、その他にも直刃、皆焼などもあり、その作域は一門中最も広く、一番の器用人です。
本作は、いわゆる笹穂槍、寸法七寸二分弱、板目に杢目、流れ肌を交えて所々うねるように肌立つ地鉄、湾れに小互の目交じりの刃は、刃中繊細な金筋が掛かっています。
現状は認定書ですが、銘は全く問題ありません。
鳩目など、随所に黒水牛角を使用したお洒落な白鞘にピシッと入っています。
越中守正俊の笹穂槍は、本誌初掲載、三品一派の筆頭鍛冶の貴重な逸品、これは見逃せません。