脇差し 岡本亀右衛(門)安儔
(おかもとかめえもんやすとも)
享和元秊(年)二月日(一八〇一) 於摂陽造
Wakizashi:Okamoto Kameemon Yasutomo
新々刀・播磨(摂津) 江戸後期
特別保存刀剣鑑定書及び日本刀剣保存会鑑定書(優秀作)付き
刃長:48.6(一尺六寸強) 反り:1.2 元幅:3.04
先幅:2.14 元重ね:0.73 先重ね:0.49 穴1
【コメント】
安儔は、播磨国赤穂出身、岡本庄司と言い、亀右衛門と称しました。大坂にて尾崎助隆、孫の天竜子正隆、助隆の師である黒田鷹(たかのぶ)、浜部寿格にも学んだと云い、大坂でも鍛刀しています。
年紀作に見る活躍期は、寛政(一七八九~一八〇一)~文化(一八〇四~一八)頃まで、作風は、師伝の濤瀾風互の目乱れ、匂い深い互の目丁子乱れ等を得意としています。
銘は、『播州住安儔』、『播磨岡本安儔』、『於摂陽造岡本安儔』などと切ります。
本作は、岡本亀右衛(門)安儔とあるように、貴重な俗名入り年紀作、『秊』は『年』の異体字、『於摂陽造』とあることから、摂津(大坂)打ちの濤瀾風互の目乱れを焼いた典型作です。
少し地に緩みもありますが、総体的に良く詰んだ地鉄に、尾崎助隆一門伝統の覇気溢れる濤瀾風互の目乱れを巧みに焼いており、特保保存刀剣及び日本刀剣保存会優秀作鑑定書付きです。
貴重な銘振りと共に、播磨の郷土刀としても絶対に見過ごせない岡本安儔の自信作です。