刀 丹後守藤原兼道(初代)
(たんごのかみふじわらのかねみち)
(菊紋)一
Katana:Tangonokami Fujiwarano Kanemichi
新刀・摂津 江戸前期 良業物
甲種特別貴重刀剣認定書及び日本刀剣保存会鑑定書(優秀作)付き
寒山先生鞘書き有り
刃長:75.3(二尺四寸九分弱) 反り:1.6 元幅:3.35
先幅:2.24 元重ね:0.78 先重ね:0.53 穴1
【コメント】
兼道は、丹波守吉道(京二代)の次男に当たり、三品吉兵衛と称しました。寛永二年(一六二五)、丹後守受領、大半の場合、裏に『(菊紋)一』を切り、晩年は直道と改めています。寛文十二年、七十歳で没。
匂い深い互の目丁子乱れを得意とし、三品鍛冶伝統の簾刃、菊水刃も焼きます。また業物鍛冶としても有名です。
本作は、寸法二尺四寸九分弱、身幅、重ねしっかりとした勇壮な一振り、年紀はありませんが、その銘振り、姿等からして、万治末年から寛文初年頃の作と鑑せられます。
互の目丁子乱れを主体とした焼き刃は、多種の刃を交えて見応えがあり、地に少し緩みもありますが、同工の典型的な出来映えを示しています。
大変生ぶい作で、現状は甲種特別貴重ですが、銘は全く問題ありません。
刀剣保存会の優秀作鑑定書も付属しており、寒山先生鞘書きには、『初代作 地刃健全 同作中傑出の一也』とあります。
これは見過ごせない丹後守兼道(初代)です。