刀 大和守吉道(初代)
(やまとのかみよしみち)
七十八歳造改之 延宝三年二月吉日(一六七五)
Katana:Yamatonokami Yoshimichi
新刀・摂津 江戸前期 業物 拵え付き
特別保存刀剣鑑定書付き

刃長:69.8(二尺三寸強) 反り:1.8 元幅:3.14
先幅:2.13 元重ね:0.79 先重ね:0.52 穴2(内1忍)

打ち刀拵え(江戸期 全長97 柄長23 鞘 黒の呂塗り 下げ緒、萌黄色 しとどめ赤銅 柄 親鮫に黒柄巻き 縁頭、赤銅魚子地高彫金色絵、龍図 目貫、素銅地容彫金色絵龍図 鍔 赤銅魚子地両櫃孔 耳に据紋金象嵌、這龍図)付き。

【コメント】
大和守吉道(初代)は、三品宇左衛門と云い、丹波守吉道(大阪初代)の次男、丹波守吉道(京初代)の孫に当たります。三品系にあって特に丁子乱れを得意としており、河内守国助(中河内)、多々良長幸と共に『丁子乱れ三名人』とも称されます。中には中河内風の完全なる拳形丁子、三品系伝統の簾刃、濤瀾刃もあります。
活躍期は、明暦(一六五五~五八)から延宝初年(一六七三~八一)頃とし、延宝の中頃に没したとも伝えています。
本作は、年紀と実年齢を添えた大変貴重な一振りです。
寸法二尺三寸強、切っ先やや詰まった寛文新刀スタイルながら、反りがやや深くなっている点に延宝期の特徴が出ています。
互の目乱れを主体に、拳形丁子風の刃、小互の目を交えた焼き刃は、刃中葉、足繁く入り、地に丸い飛び焼きが掛かるなど、同工らしい出来映えです。
延宝三年は、おそらく初代の最終年紀であり、最晩年に当たる七十八歳の作、実際に二代吉道に延宝四年の作が残っていることからしても、この年を以て、初二代が交代したものと推測します。この年紀は、今後の同工研究に於いても重要な資料となるでしょう。
地刃に細かな鍛え肌等もありますが、特別保存鑑定がピシッと付いた大和守吉道の集大成と言える一振りです。


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