刀 因幡刀工天龍子秀寿精鍛之
(いなばとうこうてんりゅうしひでとしこれをせいたんする)
昭和五十七壬戌年五月日(一九八二)
Katana:Inaba Toko Tenryushi Hidetoshi
現代・鳥取

刃長:72.4(二尺三寸九分) 反り:1.7 元幅:3.36
先幅:2.22 元重ね:0.82 先重ね:0.59 穴1


【コメント】
秀寿は、金崎秀寿と言い、昭和十九年生まれ、鳥取市の出身で、父義一(天日斎助寿)に学び、天龍子と号しました。金崎親子は、水心子正秀、池田一秀の流れを汲む、水心子系門人に当たります。因みに秀寿の名前は、源清麿に心酔していた父が、清麿初期銘の『秀寿』から取ったものです。
作風は、山城、備前、相州、相伝備前の古作を狙ったものが多く、直刃から乱れ刃まで、巧みに鍛えます。
本作は、同工三十八歳の頃の作、寸法二尺三寸九分弱、板目に杢目、流れ肌を交えた地鉄は、地景を繁く交えて良く鍛えられており、互の目乱れを主体とした刃は、刃中金筋、砂流し烈しく掛かり、覇気溢れる出来映えです。
この地刃の冴えは、地元で採取された印賀鋼を使用したものと鑑せられます。印賀鋼は、お隣の島根県産出羽(いずわ)鋼と並んで『鋼の王』と評される良質な鉄です。
刀身のみで802g、お好みの外装を付けて、最高級居合い刀としても活躍出来ますが、鑑賞用としてお薦めします。
同工の代表作と成り得る逸品です。




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