脇差し 水心子正秀
(すいしんしまさひで)
寛政二年八月日(一七九〇)



Wakizashi:Suishinshi Masahide



新々刀・武蔵 江戸後期 最上作
特別保存刀剣鑑定書付き




刃長:55.5(一尺八寸三分強) 反り:0.8 元幅:3.11
先幅:2.29 元重ね:0.69 先重ね:0.59 穴1




鎬造り、鎬尋常庵棟低め、中切っ先やや詰まり気味。 鍛え、小板目やや沈み勝ちに詰み、所々流れて細かく肌立ち、地色やや黒み勝ち、地沸良く付き、地鉄良好。 刃文、直調の焼き出しから互の目、小互の目、矢筈風の刃、濤瀾風の刃を交え、刃縁良く沸付いて匂い深く明るく冴え、刃中互の目足入る。 帽子、湾れ込んで、先僅かに掃き掛け返る。 茎生ぶ、先急な刃上がり栗尻、鑢化粧大筋違い。 銅に銀着せハバキ(一部着せに剥がれ有り)。 時代研磨。 白鞘入り。  



【コメント】
正秀は、川部儀八郎と言い、寛延三年生まれ、出羽国山形の出身で、安永三年には、山形藩主秋元家に抱えられて、『水心子』と号しました。文政元年、二代白熊入道に名跡を譲り、『天秀』と改銘、文政八年、七十六歳で没。
正秀は、大慶直胤、細川正義、角元興等々、二百近くに及ぶ門弟を輩出、『新々刀の祖』と呼ばれ、大慶直胤、源清麿と共に『江戸三作』とも呼ばれる新々刀最高峰鍛冶です。
作は、安永初め頃から文政頃まで、作風は、初期は、越前守助廣、井上真改風を狙った焼きの深い、華やかな作が多く、文化以降は、自らが『刀はすべからく鎌倉期へ回帰せよ。』と提唱した『復古造法論』の実践から、鑑賞的な華やかさではなく、実用を本位とした穏やかな直調の作風へと移行して行きました。
本作は、寛政二年(一七九〇)、同工四十一歳の頃、貴重な前期作の大坂新刀写しです。
寸法一尺八寸三分強、反りやや浅め、均整の取れた勇壮な造り込みです。
直調の焼き出しから互の目、小互の目、矢筈風の刃、濤瀾風の刃を交えた刃文は、前述した大坂新刀の中でも、助廣の乱れ刃を狙ったこの期の典型的な作風を示しており、刃縁の明るさ、冴えは、本歌に迫るものがあります。
また同工前期に当たる、明和(一七六四~七二)、安永(一七七二~八一)、天明(一七八一~八九)、寛政(一七八九~一八〇一)年紀の作は、中々出ません。
大きな欠点のない佳品、確実に押さえて下さい。














【売約済】商品番号:Q-185 脇差し 水心子正秀 寛政二年八月日(一七九〇) 特別保存刀剣鑑定書付き

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