太刀 於巌鷲山麓田村俊基作(大隅俊平高弟)
(がんじゅさんろくにおいてたむらとしきさく)
平成二十三年二月三節分日(二〇一一)
恵方祈願


Tachi:Ganjusanroku Tamura Toshiki



現代・岩手



刃長:90.5(二尺九寸九分弱) 反り:2.2 元幅:4.66
先幅:3.69 元重ね:1.21 先重ね:0.91 穴1




鎬造り、鎬高め庵棟低い、大切っ先。 表裏共に二筋樋をハバキ上で丸留める。 鍛え、小板目肌沈み勝ちに詰み、所々流れて肌立ち、地沸付き、地鉄良好。 刃文、小互の目、互の目、小乱れ、丁子、小丁子を交え、刃縁小沸良く付いて匂い深くやや沈み勝ちとなり、刃中小足、葉頻りに入る。 帽子、乱れ調で、先やや尖り風に返る。 茎生ぶ、先栗尻、鑢筋違い。 銅に金鍍金ハバキ。 時代研磨。 白鞘入り。



【コメント】
俊基は、田村元と言い、岩手県盛岡市出身、人間国宝大隅俊平高弟です。
銘に巌鷲山(がんじゅさん)とありますが、これは勿論岩手山のこと。元来『いわわしやま』と呼ばれていたものが、『岩手』の音読みである『がんしゅ』と似ているために転訛したものと云い、また春に、岩手山の雪解けの形が、飛来する鷲の形に見えるため、この呼び名になったとも伝えられます。
本作は、寸法二尺九寸九分弱、元幅4.66㎝、先幅3.69㎝、元重ね1.21㎝、 先重ね0.91㎝、刀身のみで約2,500g、白鞘に収めた状態で約3,300gあります。
茎にあるように、節分の日の恵方祈願の特注品、恵方とは、その年、最も良いとされる方角で、その方角に歳徳神(としとくじん)(その年の福徳を司る神)がいるとされます。
作は、相州上工、中でも幅広貞宗、二筋樋貞宗などに範を取ったものと思われ、それをこれだけ長大な作に仕上げています。
師俊平も、晩年円熟期に入って大太刀を数多鍛えていることからして、おそらく、それを継承しているかと思われます。
大きな疵なく、破綻なく、真面目に鍛えた一振り、本誌上、最重量の一振り、これ以上はもうないでしょう。
岩手の名工、田村俊基の超超大作の登場、正直、抜き差しなどが相当大変ですので、くれぐれもご注意下さい。














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