刀 平安城長吉作
(へいあんじょうながよしつくる)
明応九年二二月日(一五〇〇年)


Katana:Heianjo Nagayoshi



古刀・山城 室町後期
黒千段巻漆鞘打刀拵付き(保存刀装具鑑定書付き)
特別保存刀剣鑑定書付き




刃長:66.0(二尺一寸八分弱) 反り:2.1 元幅:2.98
先幅:1.90 元重ね:0.85 先重ね:0.47 穴1




 鎬造り、鎬高く庵棟低い、中切っ先。 表裏棒樋に添え樋をハバキ上で角留めにする。 鍛え、小板目綺麗に詰んで、所々細かな流れ肌を見せ、地沸厚く付き、地鉄精良。 刃文、華やかな大互の目乱れを主体とした刃文は、物打ち付近からは特に焼きが高く、丁子心の互の目を交えて沸匂い深く付き、刃中葉、小足繁く入り、匂い口明るく冴える。 帽子、乱れ込んで焼き深く、沸匂い厚く付き、ほぼ一枚となる。 茎生ぶ、先刃上がり栗尻、鑢切り。 銅に金着せ二重ハバキ。 時代最上研磨。 白鞘入り。
 幕末~明治期(全長94センチ 鞘 黒漆千段巻き 下げ緒橙色が茶色に変化している 柄 親鮫に茶蛇腹巻き 総金具 銘篠山篤興(花押)こじり、栗型、鯉口、責め金具 縁、兜金 銀地高彫金色絵 目貫 赤銅容彫金色絵 倶利伽羅龍図 鍔 銘天光堂秀国 鉄地葵形高彫金布目象嵌)付き。



【コメント】
 平安城長吉の重要刀剣、千子村正の師と伝わる名工が華やかな乱れ刃を焼いた最高傑作、付属外装も天光堂秀国、篠山篤興の在銘金具を使用した最上作です。
 平安城長吉は、三条吉則と並ぶ室町期の山城鍛冶代表であり、銘鑑によると、南北朝期から同銘が続いていますが、現存作は室町期の作と鑑せられるものばかりです。中でも文明(一四六九~八七年)から永正(一五〇四~二一年)頃の長吉が最も技量優れ、千子村正の師とも伝わります。
 作風は、二代村正に酷似した箱刃に尖り刃交じりの末関風の出来、来風の美しい直刃、長谷部風の烈しい皆焼刃、小湾れに互の目交じる出来、互の目丁子乱れもあり、表裏の刃文が良く揃う辺りも千子風です。
 造り込みは、刀、短刀、槍、薙刀など様々で、彫り物も大変上手です。草の倶利伽羅などは、村正にも全く同様の意匠があることから、両者が近しい関係であり、年代的に見ても長吉が先輩格に当たるのは間違いないでしょう。
 本作は寸法二尺一寸八分弱、寸がやや詰まって先反りの付いた室町中後期の特色ある打刀姿を示しています。この時代には、本刀の如く二尺前後の打刀が最も流行し、片手の抜き打ちに適した造り込みであるため、茎が短く、重ねが厚いのも特徴です。
 鎬に掛かる程深く華やかな大互の目乱れを主体とした刃文は、丁子心の互の目を交えて沸匂い深く付き、刃中葉、小足繁く入り、匂い口明るく、物打ち付近からは特に焼きが高く、帽子はほぼ一枚となっています。
 平地の大半が焼きに覆われていますが、地肌も小板目がきめ細かく詰み、流れ心のある素晴らしい鉄味を示しています。
 最上の研ぎが掛かって地刃冴え渡り、樋のバランスも絶妙、茎の状態も良く、銘も鮮明で年紀入り、穴も一つです。ここまで華やかで美しい長吉は見たことがありませんし、おそらくこれ以上の物も出て来ないでしょう。
 棟にはスパッと二ヶ所の受け疵が残されていることからも分かるように、あの戦国時代を生き抜いた歴戦の勇士でありながら、この状態の良さは考えられません。
 千子村正の師、平安城長吉の最高傑作と言わせて頂きます。
 付属の外装は、幕末の名工、天光堂秀国(てんこうどうひでくに)と篠山篤興(しのやまとくおき)の合作による見事な拵えです。
 天光秀国は、大月光興の下で学んだ伯耆国米子の彫刻師の家の長男として、文政八年(一八二五年)に生まれています。名を中川代蔵と言い、父に彫刻を学び、希なる才能を発揮していましたが、更なる上達を願い、十八歳で京に上り、父と同じく光興の下で同門であった川原林秀興の門人となります。同門には兄弟子篠山篤興、松尾月山、玄山一秀がいます。
 師秀興亡き後、秀興の次女を妻に迎え、川原林家の二代目を継ぎ、川原林秀国と名を改め、『金龍斎』と号しています。
 安政年間、公卿千種有文卿の推挙により、孝明天皇の短刀金具を製作、その功により刻銘『天光堂』が下賜されています。
 明治天皇の軍装金具を兄弟子篠山篤興と共に製作、明治二十四年没。
 篠山篤興は、文化十年(一八一三年)、俳人篠山元吉の子として生まれ、十五歳で川原林秀興の門人となります。天性の才能からめきめきと技量は上達し、天保八年(一八三七年)には師の長女を妻に迎え、京都衣棚押小路上ルで開業、師である秀興に勝る名工として名を上げています。
 文久三年、五十一歳の時には孝明天皇の短刀金具の製作を命ぜられ、その功により刻銘『一行斎』を賜っています。
 明治維新後も明治天皇の金具製作や京都勧業博覧会に自作を出品するなど、金工家として賞賛を受けています。明治二十四年、七十九歳没。
 本外装は、貴重な秀国と篤興の合作、製作時期に付いては、明治九年に両名が明治天皇の命により軍装金具を製作していますので、おそらくその前後の作であると思われます。揃い金具を得意とした篤興、龍虎の図を得意とした秀国、秀興門下の両名は、作風がとても似ていると評されていたため、本製作に当たっては、それぞれのプライドを掛けて、その力量を競ったであろうと思われます。
 幕末から明治期に活躍した新しい金工師達のエネルギーを感じさせる力作です。




















商品番号:V-1776 刀 平安城長吉作 第四十一回重要刀剣指定品 黒千段巻漆鞘打刀拵付き(保存刀装具鑑定書付き)

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