短刀 無銘(伝来国俊)
(でんらいくにとし)


Tanto:Den Rai Kunitoshi



古刀・山城 鎌倉末期 最上作
第五十七回重要刀剣指定品
本阿弥長識鞘書き有り




刃長:29.6(九寸八分弱) 反り:僅かに内反り
元幅:2.52 元重ね:0.82 穴4(内1埋)




平造り、重ねすこぶる厚く、三つ棟低い。 表に素剣、裏に護摩箸があり、茎途中で掻き流す。 鍛え、小板目に板目、杢目を交えて良く詰み、所々流れて上品に肌立ち、地色明るく、地沸良く付き、沸映り判然と現れ、地鉄概ね精良。 刃文、細直刃湾れ調で、僅かに小互の目交じり、刃縁小沸付いて匂い深く、刃中細かな金筋、砂流し掛かる。 帽子、直調で僅かに掃き掛け、小丸にやや深く返る。 茎僅かに磨り上げて先詰む、先浅い栗尻、鑢浅い勝手下がり。 銅に金着せ二重ハバキ。 時代最上研磨(細かヒケ有り)。 白鞘入り。



【コメント】
 無銘(伝来国俊)の重要刀剣短刀、同派最高峰鍛冶の典型作、同工中最長、且つ重ねすこぶる厚い大柄な一振り、鎌倉末葉の格調高き名品です。
 来国俊は、国行の子として仁治二年(一二四一)に生まれ、同派中最初に『来』の字を冠した刀工で、以後皆がこれに倣いました。
 二字国俊時代の作を合わせると、国宝五口、重要文化財十八口、重要美術品三十七口の指定品がありますが、これは勿論同派にあって最多であり、名実共に同派の最高峰と言えるでしょう。
 作風は、小切っ先で細身、若しくは中切っ先で尋常な姿に、直刃、直刃調に小模様の乱れ、小丁子を交えた温和な出来が多く見られます。
 同工には優美な太刀の他、短刀にも傑作が多く、ほぼ同時代の粟田口国吉、藤四郎吉光、新藤五国光らと並び立つ短刀の名手として、数々の名作を残しています。
 本作は寸法九寸八分強、重ねすこぶる厚い、大柄な短刀です。
 同工の短刀は、通常八寸前後が大半、稀に六寸、九寸台の作もあります。最長で九寸八分、図譜にも記載があるように、『来国俊 永仁五年二月日(一二九七)』と銘のある短刀で、平成十年、第四十四回の重要刀剣、平成十二年、第十六回の特別重要刀剣指定品です。同工には稀にこの手の作があり、本作はそれと寸法、姿、出来、健全さはほぼ同等と鑑せられます。厳密には僅かに磨り上げていますので、生ぶなら最長となり、これで在銘ならば、特別重要候補の筆頭になるでしょう。
 小板目に板目、杢目を交えて良く詰み、所々流れて上品に肌立つ精良な地鉄は、地色明るく、沸映り判然と現れ、細直刃湾れ調で、僅かに小互の目交じりの焼き刃は、刃縁小沸付いて匂い深く、刃中細かな金筋、砂流しが掛かっています。
 表に素剣、裏には護摩箸があり、茎途中で掻き流してあります。
 明治二十二年、本阿弥長識の鞘書きがあり、代金子二百枚の代付けが成されています。長識は、本阿弥分家である加賀本阿弥家の生まれで、明治期に於いては、本阿弥成重に比肩する鑑定家です。明治二十六年(一八九三)没。
 来派筆頭鍛冶及び短刀名人としての実力を存分に示した逸品、鎌倉末葉の迫力のある来国俊の短刀、これは見逃せません。












【売約済】 商品番号:V-1895 短刀 無銘(伝来国俊) 第五十七回重要刀剣指定品 本阿弥長識鞘書き有り

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