短刀 無銘(伝則重)
(でんのりしげ)


Tanto:Den Norishige



古刀・越中 鎌倉最末期 最上作
第五十回重要刀剣指定品
寒山先生鞘書き有り
土佐山内家伝来品




刃長:23.3(七寸七分弱) 反り:僅かに内反り 元幅:2.11 元重ね:0.46 穴3(内1埋)



平造り、三つ棟尋常。 鍛え、板目に大板目、大杢目、流れ肌を交えてうねるように肌立ち、地色やや黒みがあり、所々湯走り状の飛び焼き入り、地沸厚く付き、地景繁く入り、地鉄良好。 刃文、直湾れ調で小互の目、小乱れを交え、刃縁沸匂い深く付いて潤むように明るく、刃中金筋、砂流し烈しく掛かる。 帽子、直調で沸付き、先尖り風に掃き掛け返る。 茎生ぶ、先切り、鑢勝手下がり。 金無垢二重台付きハバキ。 時代最上研磨。 白鞘入り。  



【コメント】
『正宗十哲』、越中則重の重要刀剣短刀、刃中の煌めき、松皮肌等、千変万化の沸の働きを示した典型作、土佐山内家伝来品です。
則重は、五郎次郎と称し、佐伯姓を名乗り、鎌倉末期、越中国婦負郡(ねいぐん)呉服(現富山市五福付近)にて鍛刀したと伝わることから、呉服郷則重とも呼ばれます。古来より正宗十哲(現在では正宗、則重両名とも新藤五国光門人とされる)にもその名を連ねる、名工中の名工です。
在銘太刀は極々僅か、短刀の多い刀工でもあり、『日本一則重』の号で呼ばれる国宝の短刀一口を始め、重要文化財八口、重要美術品十一口の指定品がありますが、その六割が短刀です。
作風は、正宗に近似しますが、沸の変化に於いては、正宗以上に示したものが多く、特に太い地景交じりの大板目肌が、渦巻き状に肌立つ鍛えは『松皮肌』と呼称され、同工の代名詞にもなっています。これらの鍛えが刃縁、刃中に絡んで様々な働きを見せるのも大きな特色、刃文も直調に湾れ、互の目、互の目乱れなど様々で、刃中の太い互の目足、沸崩れ、砂流し、金筋など、沸の働きが豊富で、たとえ無銘であっても、他に紛れることがありません。
数少ない年紀作に見る活躍期は、延慶(一三〇八~一一年)から正中(一三二四~二六年)頃までとなっています。
本作は平成十六年(二〇〇四)、第五十回重要刀剣指定品、生ぶ無銘ながら『伝則重』の極めが付されています。
寸法七寸七分弱、三つ棟で内反り、フクラの枯れた(切っ先に向けて身幅鋭くなること)姿は、則重短刀の典型的なスタイルです。
板目に大板目、大杢目、流れ肌を交えて所々渦巻き状に肌立つ地鉄は、地色にやや黒みがあり、所々湯走り状の飛び焼き入り、地景が繁く入るなど、松皮肌の典型を示しており、直湾れ調で小互の目、小乱れを交えた焼き刃は、刃縁潤むように明るく、刃中煌めくような金筋、砂流しがうねるように烈しく掛かっています。
一見して分かるこの地刃の出来は唯一無二、古伝書等で、『鉄こしらえの上手也。肌は一体ならず。』と評される所以がここにあるかと思います。
更に寒山先生鞘書き、重要図譜にも明記されているように、本刀は『土佐山内家』伝来品、『土佐山内家』と言えば、秀吉、家康に仕えた戦国武将、土佐藩初代藩主山内一豊が有名ですが、この伝来があるだけで、格が一枚も二枚も違います。ハバキも金無垢二重の台付きでビシッと決まっています。
図譜には、『この短刀は、鍛えに松皮肌の様態を見せ、刃文は一種の皆焼風を呈するなど、地刃に則重の特色が顕然である。またフクラが枯れて僅かに内反りとなる、筍(たけのこ)反り状の短刀姿にも同工の見所が明示されている。』とあります。地刃もまだまだ健全、これで在銘なら大変です。
正宗を上回る鉄鍛えの名人越中則重、『千変万化の沸の働き』は、今や同工の代名詞ともなっていますが、本作をご覧頂ければ一目瞭然、その技量を存分にお楽しみ下さい。












【売約済】商品番号:V-1923 短刀 無銘(伝則重) 第五十回重要刀剣指定品 寒山先生鞘書き有り 土佐山内家伝来品

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