三所物:獅子彪図
小柄笄 銘・紋光乗 光美花押
目貫 無銘 金無垢無銘光乗
銘・若芝
Mitokoromono:Shishi Hyou Zu
桃山期
第五十六回重要刀装具指定品
附 文政九年代金参拾枚光美折紙
附 於東京美術倶楽部 昭和三年五月二十八日 三五七番元桐箱付
島津公爵家入札元札(金七百七十九円)及び島津公爵家蔵品落札高値表
『後藤家四代光乗は、三代乗真の嫡男で、享禄二年生まれ、俗名は亀市、のち小一郎、諱は光家と称し、はじめ足利将軍家に仕えたが、のち織田信長に仕え、天正九年には信長の命によって、嫡男光基(徳乗)共に世界最大の金貨である無印の大判(拾両)を造っている。
また光乗は、名工の誉れ高く、祐乗に次ぐ腕前だとも言われている。
本作は目貫に七疋宛、笄に九疋、小柄に十三疋の獅子および虎豹を配している。その数にして折り重なり犇めく姿はまさに圧巻であり、さらには一疋、一疋の彫技においても緻密かつ的確なもので、流石に名工の評が高い光乗である。下地の赤銅魚子地や裏哺金は、後代の手になるものと思われ、その旨は光美の折紙にも記されている。笄にみる蕨手の形状からすれば江戸時代中期ころの何れかの作者であろうか。いずれにせよ紋の入念さに光美も感じ入ったのであろう、折紙では金三拾枚という破格の値を附しており、なお本作は島津家に伝来した。』
この見事な三所ものについては、常の図譜解説に増して丁寧で感動的に伝えています。図譜を書かれた日本美術刀剣保存協会の刀装具ご担当者の方もさぞ驚かれ感動なさったものと推察致します。
島津家の所蔵最上品として、大事に大切に保存されてきた三所ものです。
傷み擦れなど全くなく完品、光乗の作を伝える極上の三所もの、これほど素晴らしい作には中々出会えるものではありません。
正に日本美術工芸の宝です。
落とし桐箱入り
また光乗は、名工の誉れ高く、祐乗に次ぐ腕前だとも言われている。
本作は目貫に七疋宛、笄に九疋、小柄に十三疋の獅子および虎豹を配している。その数にして折り重なり犇めく姿はまさに圧巻であり、さらには一疋、一疋の彫技においても緻密かつ的確なもので、流石に名工の評が高い光乗である。下地の赤銅魚子地や裏哺金は、後代の手になるものと思われ、その旨は光美の折紙にも記されている。笄にみる蕨手の形状からすれば江戸時代中期ころの何れかの作者であろうか。いずれにせよ紋の入念さに光美も感じ入ったのであろう、折紙では金三拾枚という破格の値を附しており、なお本作は島津家に伝来した。』
この見事な三所ものについては、常の図譜解説に増して丁寧で感動的に伝えています。図譜を書かれた日本美術刀剣保存協会の刀装具ご担当者の方もさぞ驚かれ感動なさったものと推察致します。
島津家の所蔵最上品として、大事に大切に保存されてきた三所ものです。
傷み擦れなど全くなく完品、光乗の作を伝える極上の三所もの、これほど素晴らしい作には中々出会えるものではありません。
正に日本美術工芸の宝です。
落とし桐箱入り