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刀 備州長船住景光(額銘)
(びしゅうおさふねじゅうかげみつ)
Katana:Bishu Osafuneju Kagemitsu
古刀・備前 鎌倉末期 最上作 拵え付き
第五十五回重要刀剣指定品

刃長:74.1(二尺四寸五分弱) 反り:1.8 元幅:2.76
先幅:1.56 元重ね:0.64 先重ね:0.45 穴2

打ち刀拵え(江戸後期 全長106 柄長22.2 鞘 黒の呂鞘 返り角、栗型、赤銅魚子地下がり藤紋散し 下げ緒、深緑の裏革に抜き文様 柄 親鮫に黒塗、深草色裏革柄巻 縁頭、赤銅魚子地、据紋金象嵌、下がり藤紋散し図 目貫、赤銅魚子地金象嵌、三双下がり藤紋図 鍔 赤銅研磨地、僅かに金象嵌松葉に梅、車透図)付き。

【コメント】
長船景光(額銘)の重要刀剣、優美な姿、最上の備前鍛えに鮮明な乱れ映り、同工最良期に於ける素晴らしい備前太刀です。
景光は、長光の子で、左兵衛尉と称し、父の後を継ぎ、長船派の三代目を継承、国宝太刀名物『小龍景光』、国宝短刀名物『謙信景光』など国宝三口、重要文化財十三口、重要美術品二十口を数える長船派の筆頭鍛冶です。
活躍期は、鎌倉末期の嘉元(一三〇三~六)から南北朝最初期の建武(一三三四~三六)頃までとされています。
作風は、長光の前期作程華やかな作は僅少で、直刃調の穏やかな刃取りに、小模様の丁子、互の目を交える出来が多く、短刀には片落ち互の目、角張った互の目が逆心となった鋸(のこぎり)状の刃が見られます。景光の刃には、基本的に逆心あるのが見所で、鍛えの精良さに於いては、長光を凌ぐものが多々見られます。
また祖父光忠には皆無、父長光にも僅か数口しか残されていない短刀が多く残されており、時代的に山城の粟田口藤四郎吉光、相模の新藤五国光らと並び称される短刀の名人です。
銘は太刀、短刀共に『備前国長船住左兵衛尉景光』、『備州長船住景光』、『備前国長船景光』など長銘が多く、二字銘は僅少です。
本作は平成二十一年(二〇〇九)、第五十五回の重要刀剣指定品、大磨り上げながら、『額銘』として受け継がれてきた同工典型作優品です。
『額銘』とは、磨り上げに際して無銘になるのを惜しんで、銘を短冊状に切り取り、新たな茎部分にはめ込んだ銘のことです。
寸法二尺四寸五分弱、腰反りに先反りも加わって小峰に結んだ上品な姿の備前太刀で、生ぶ穴が残っていないことから、元来三尺近くあったことが分かります。
小板目に板目、杢目を交えて良く詰み、所々流れ心に上品な肌立ちを見せる精良な地鉄は、地色明るく、乱れ映り鮮明に立ち、小丁子に小互の目、小乱れを交えた焼き刃は、所々逆掛かり、物打ち辺は直調となり、刃縁匂い勝ちに小沸付いて明るく冴え、刃中小足、葉入り、繊細な金筋、砂流しが掛かっています。
精緻な鍛錬と乱れ映りの融合が長船物の大きな見所の一つですが、景光の場合、特にその様が素晴らしく、本作も正にそれが存分に示されています。
刃も小模様で派手さはないですが、少し逆掛かりながら細かに良く働いており、古作備前物をお好きな方にはたまらない雰囲気かと思います。
額銘ですが銘もピシッと残っており、またこれぐらい寸法があると醸し出す雰囲気が違います。
付属の外装は江戸期の上質な作、金具各所には下り藤紋が配してありますが、仔細に見ると、軸の形が一般的な下り藤とは上下逆にしたような形になっています。これは豊臣秀吉に見出された子飼の家臣で七将の一人、加藤嘉明が使用した家紋、嘉明は後に伊予松山藩及び陸奥会津藩初代藩主も務めた人物です。本作もおそらくその家系に伝来した由緒正しき一振りでしょう。
これ正に鎌倉期王道の備前太刀、長船筆頭鍛冶の在銘品でこのレベルは中々出ません。惚れ惚れする程美しい格調高き景光です。









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