薙刀直し脇差し 中島来(無銘)
(なかじまらい)
Wakizashi:Nakajima Rai(Mumei)
古刀・摂津 鎌倉最末期 拵え付き
特別保存刀剣鑑定書付き

刃長:40.4(一尺三寸三分強) 反り:1.2 元幅:3.16 元重ね:0.75 穴2
薙刀直し造り、鎬すこぶる高く庵棟低め。 表裏共に梵字に腰樋をハバキ下で掻き流す。 鍛え、板目に杢目、流れ肌を交えて詰み、所々大模様に肌立ち、地沸厚く付き、地景良く入り、地鉄良好。 刃文、広直刃調で、刃縁良く沸付いて匂い深く所々締まり、一部喰違刃掛かり、刃中小足、小互の目足、葉が繁く入る。 帽子、直調で、先僅かに掃き掛け返る。 茎大磨り上げ、先切り、鑢切り。 銅に銀着せ二重ハバキ(被せ部分は金着せ)。 時代研磨(切っ先にアタリ有り)。 白鞘入り。
【コメント】
来国長は、来国俊の門人で、初め山城、後に摂津国西成郡中島(現在の大阪市東淀川区内)に移住したことから、『中島来』の呼称があります。
銘鑑によると、初二代があり、初代が鎌倉最末期の元徳(一三二九~三一)頃、二代が南北朝中後期の正平(一三四六~七〇)、応安(一三六八~七五)頃としています。
造り込みは、時代の姿を反映し、切っ先身幅の尋常な作から、切っ先の延びた大柄な作まで見られます。現存作に在銘の太刀は極めて少なく、ほぼ寸延び短刀か、小脇差しのみです。
作風は、来派伝統の小沸出来直刃を本位としていますが、中には国俊、国光辺りには見られないような沸の強い互の目乱れもあり、帽子も純然たる小丸ではなく、返りが長いもの、乱れ込んで掃き掛けるもの、焼き詰め風となる場合もあります。また鍛えに強い杢目や板目が交じる点も同工の特徴です。
本作は、いわゆる薙刀直しですが、南北朝期以降に見られる先が強く張って大柄なスタイルではないため、鎌倉末期の作と鑑せられます。
広直刃調の刃は、刃縁良く沸付いて匂い深く所々締まり、一部喰違刃掛かり、刃中小足、小互の目足、葉が繁く入るなど、刃の深み、刃縁、刃中の働きも豊富、地刃健全で、刀身がグッと重いです。
大きな欠点なく、焼き刃も元から先まで染みるような箇所は皆無、大変魅力的な中島来です。


