短刀(来写し) 兼定(之定初期銘)
(かねさだ)
Tanto:Kanesada
古刀・美濃 室町末期 最上作 最上大業物 拵え付き
特別保存刀剣鑑定書付き

刃長:22.5(七寸四分強) 反り:僅かに内反り 元幅:2.15 元重ね:0.59 穴1
平造り、三つ棟低い。 鍛え、小板目肌やや沈み勝ちに良く詰み、所々板目が流れて強く肌立ち、地沸厚く付き、地色やや黒み勝ち、白け映り立ち、地景入り、地鉄良好。 刃文、細直刃調で、刃縁匂い勝ちに小沸付いてやや沈み勝ちに締まる。 帽子、直調で先小丸に返る。 茎生ぶ(先を僅かに摘まむ)、先切り、鑢檜垣。 銅に銀着せハバキ。 時代研磨(ヒケ有り)。 白鞘入り。
合口拵え(全長40.5 江戸後期 鞘 角笛青貝散鞘 こじり、角 栗型、鯉口、瓦金、鉄地に布目金象嵌、水流に桐図 小柄、海老図 下げ緒、黒と薄茶の斑 柄 鮫に黒糸柄巻き 縁、鯉口と同じ 頭、角 目貫、赤銅容彫、鶴亀図)付き。
【コメント】
本作は、和泉守之定の在銘短刀、二字銘で定の字を楷書で切っていますが、鑑定書には、『兼定(之定初期銘)』とあります。
和泉守兼定は、『定』の字のウ冠の中を『之』と切ることから『ノサダ』の呼称があり、年紀作に見る作刀期間は、明応二年(一四九三)から大永六年(一五二六)まで、天文(一五三二~五五)初年頃に没したと云います。
銘振りは、最初『濃州関住兼定作(造)』と切り、明応十年(一五〇一)頃までは、『定』の字を楷書で切ります。それ以降『之定』銘となり、永正七年(一五一〇)頃に『和泉守』を受領、以降『和泉守(藤原)兼定作』と切ります。短刀の場合、『兼定』二字銘が圧倒的に多く見られます。
作風は、頭の丸い互の目、互の目丁子刃が主体で、湾れ、矢筈刃、箱刃、尖り刃が交じり、刃縁の柔らかく締まった作が多く、短刀には、来写しの直刃が多く見られます。
本作は、典型的な来写し短刀、寸法七寸四分強、やや内反りの上品なスタイル、地刃に少し鍛え肌等もありますが、刃は総体的に健全です。
細直刃調で、刃縁匂い勝ちに小沸付いてやや沈み勝ちに締まるなど、来国俊辺りを狙った品のある出来です。
和泉守を受領する前の同工前期作、最上作にして最上大業物、銘もピシッと鮮明に残されており、江戸期の合口拵え付属です。


