刀 濃州武芸八幡住兼圀作
(のうしゅうむげはちまんじゅうかねくにさく)
平成三年七月吉日(一九九一)
Katana:Noshu Mugehachimanju Kanekuni
現代・岐阜
無鑑査刀匠

刃長:72.2(二尺三寸八分強) 反り:1.6 元幅:3.46
先幅:2.54 元重ね:0.76 先重ね:0.56 穴1
鎬造り、鎬尋常庵棟低い、中切っ先やや強く張る。 鍛え、小板目肌やや沈み勝ちに良く詰み、地沸厚く付き、地鉄概ね精良。 刃文、大互の目乱れに互の目、湾れ交じりで、所々連なって濤瀾風となり、刃縁良く沸付いて匂い深く明るく冴え、刃中互の目足入り、太い金筋掛かる。 帽子、湾れ込んで焼き深く沸付き、先掃き掛け返る。 茎生ぶ、先入山形、鑢化粧筋違い。 銅に金着せハバキ。 時代研磨(サビ有り)。 白鞘入り。
【コメント】
兼圀は、尾川邦彦と言い、大正十四年生まれ、現岐阜県関市武芸川町八幡出身、戦前は東京の加藤兼国に学び、戦後は二十七代兼元こと、金子孫六兼元に学びました。『新作名刀展(現在は現代刀職展)』では入選多数で、七十代を迎えた平成十年以降に薫山賞を五度受賞、同十八年に無鑑査、同二十年には岐阜県重要無形文化財にも認定、同二十二年には子の光敏(兼國)も無鑑査に認定されています。親子共に無鑑査に認定されたのは、月山、宮入、宗親子に次いで四例目です。
作風は、大坂新刀の大家、越前守助廣に私淑し、濤瀾刃の再現に心血を注ぎました。平成二十四年、八十七歳没。
本作は、平成三年、同工六十六歳の頃の作、寸法二尺三寸八分強、大互の目乱れに互の目、湾れ交じりの刃は、所々連なって濤瀾風となり、刃縁良く沸付いて匂い深く明るく冴え、刃中互の目足入り、太い金筋掛かるなど、正にその真骨頂とも言える助廣写し、覇気溢れる出来映えです。
刃文のみならず、寸法、身幅、刀姿等々、本歌を忠実に再現している点に、助廣写し第一人者としての高い技量とセンスを感じます。
現代美濃関を代表する名匠、尾川兼圀の自信作です。



