刀 肥後国住赤松太郎兼裕作
(ひごのくにじゅうあかまつたろうかねひろさく)
写村正 令和五年八月吉日(二〇二三)
Katana:Higonokuniju Akamatsu Taro Kanehiro
現代・熊本 拵え入り

刃長:74.3(二尺四寸五分強) 反り:1.7 元幅:3.32
先幅:2.37 元重ね:0.67 先重ね:0.50 穴1
鎬造り、鎬尋常庵棟低め、中切っ先やや詰まる。 鍛え、小板目肌沈み勝ち良く詰み、地沸良く付き、地景入り、地鉄精良。 刃文、互の目乱れを主体に、小互の目、大房丁子、小丁子等を交えて華やかに焼き、刃縁匂い勝ちに明るく締まり、刃中互の目足、丁子足盛んに入り、地に大小飛び焼き掛かり、鎬地も元から先まで同様に烈しく焼きが入り、皆焼となる。 帽子、乱れ込んで先小丸風に返る。 茎生ぶ、先入山形、鑢筋違い。 銀ハバキ。 時代研磨。
打ち刀拵え(全長109. 柄長27 現代作 鞘 黒の呂鞘 下げ緒、黒白の二色 柄 黒塗り鮫に黒表革柄巻き 縁頭、銀石目地、丸に十文字紋図 目貫、銀地金象嵌、龍図 鍔 鉄地変わり形地透、武蔵の図)入り。
【コメント】
妖刀村正の皆焼写し!名工赤松太郎が、あの伝説の名刀を完全再現しました。
赤松一派は、熊本県八代市に鍛刀場を設け、木村兼重を筆頭に、子の兼嗣、兼照、兼裕三兄弟、兼嗣の子である兼光、兼幸兄弟、その他にも多くの門人を抱える一大派閥、皆『赤松太郎』を冠し作刀しています。
本作は、茎にも『写村正』と刻まれているように、あの妖刀を完全再現した意欲作、しかも皆焼です。 この名刀の再現に果敢に挑んだのが赤松兼裕、かの有名な赤松三兄弟の末弟です。
兼裕は、木村馨(かおる)と言い、昭和三十六年生まれ。
本作は、同工六十一歳の作、村正には、刀、平脇差し、短刀、槍の現存作がありますが、その全てに皆焼の作が残されています。本作は、重要刀剣指定の刀に範を取ったものでしょう。
同工と言えば、ここ最近、『逆刃刀写し』をご紹介したばかり、それも六十代の作でした。六十代を迎えても尚、挑戦する攻めの姿勢は称賛に値します。
寸法二尺四寸五分強、元先身幅ガシッとした豪壮なスタイルです。
互の目乱れを主体の刃は、小互の目、大房丁子、小丁子等を交えて華やかに焼き、刃縁明るく締まり、刃中互の目足、丁子足盛んに入り、地に大小の飛び焼き掛かり、鎬地も元から先まで同様に烈しく焼きが入って皆焼となるなど、覇気溢れる素晴らしい出来映えです。
茎もタナゴ腹となるなど、本歌を忠実に再現しています。
この刀を居合い抜刀用で使用することはないかと思いますが、一応鞘を払って1,066g、外装金具には、島津家の丸に十文字、現状、拵え入りなので、白鞘、つなぎを新調するのが良いでしょう。
次はどんな写し物が出て来るのか楽しみな赤松太郎ですが、村正写しはこれしかありませんので、確実に押さえて下さい。




