薙刀 出羽国大慶庄司直胤(花押)
(でわのくにたいけいしょうじなおたね)
文政三年仲春(一八二〇)
Naginata:Dewanokuni Taikei Shoji Naotane
新々刀・武蔵 江戸後期 最上作
薙刀拵え付き(特別貴重小道具認定書付き)
特別貴重刀剣認定書付き

刃長:63.0(二尺八分弱) 茎長:123.0(四尺六分弱)
反り:2.1 元幅:3.42 元重ね:0.86 穴2(内1忍)
薙刀造り、鎬高め庵棟低め。 薙刀樋に添え樋をハバキ上で丸留める。 鍛え、小板目に杢目交じりで良く詰み、所々細かに肌立ち、地沸厚く付き、地景入り、乱れ映り立ち、地鉄良好。 刃文、互の目、小互の目、丁子、小乱れ、やや角ばった刃を交え、刃縁匂い勝ちに小沸付いてやや沈み心となり、刃中小足、丁子足、葉頻りに入る。 帽子、湾れ調で先尖り心に返る。 茎栗尻、鑢化粧大筋違い。 銅ハバキ。 時代研磨。
薙刀拵え(全長199 鞘69 幕末期 柄 堅木六角柄 石突き鉄地、石突き上と逆輪、素銅地 鞘 茶の叩き漆塗 鍔 素銅無文)入り。
【コメント】
大慶直胤の大薙刀、全長六尺一寸四分弱、長船長光、景光の鎌倉期薙刀を狙った 超大作にして超激生ぶ品、オリジナルの樫柄薙刀外装入りです。
直胤は、安永七年、出羽国山形に生まれ、荘司箕兵衛と言い、大慶と号しました。寛政十年頃、同郷の水心子正秀を頼って江戸へ出て門下に入り、文政初年頃に独立すると、師と同じく秋元家に仕えました。文政四年には『筑前大掾』、嘉永元年には『美濃介』へと転じ、師の提唱した『復古造法論』を最も良く実践し、多くの門人を輩出しました。
源清麿、水心子正秀と並び『江戸三作』とも呼ばれ、五ヶ伝全てをこなし、山城来、大和保昌、備前景光、相州正宗、相伝備前の長義、大志津写しなどの傑作も残されています。
作は、寛政末年ころから安政三年頃まで残されており、安政四年、七十九歳にて没。
本作は、文政三年、同工四十三歳の大作、大変貴重な生ぶの大薙刀、刃長二尺八分弱、全長で六尺一寸四分弱の薙刀、地刃は現代刀のように健全です。
新々刀期にはまま見られる薙刀ですが、先の身幅が張らずに反りの少ない造り込みは、南北朝期ではなく、鎌倉期薙刀の典型スタイルを模したものです。
更に備前伝の作であることからして、大変有名な国宝の長光、重要文化財指定の景光の薙刀辺りに範を取った作と鑑せられます。
乱れ映り立つ綺麗な地鉄に、多種の刃を交えた華やかな乱れ刃を焼いており、特に備前映りは、古作を思わせるものがあります。
登録証が、昭和三十六年三月の兵庫県登録で、内外共に付属した特別貴重認定書も同年十月の超激生ぶ品、勿論、特別保存までは100%保証、外装も当時のオリジナルです。
現状拵え入りですので、大切に保管して頂くためにも、研ぎをピシッと仕上げて、白鞘、つなぎを新調して頂くのが良いでしょう。
大変魅力的な大慶直胤による古作写しの大薙刀、こういう逸品は、確実に押さえて頂かないと次はありません。



